
「ハリアーって、前はもっと安くなかった?」——トヨタの都会派SUV、ハリアーは2026年8月3日の一部改良で、ガソリン車とプラグインハイブリッド(PHEV)がなくなり、2.5Lハイブリッドだけになりました。いちばん安いグレードは439万6,700円からで、改良前の最安から約68万円上がっています。この記事では、トヨタ公式の主要諸元表・主要装備一覧表(2026年8月版)をもとに、今のハリアーがどんな車なのか、価格が上がった中身、GとZのどちらを選ぶか、四駆にするかどうか、買う前に知っておきたい割り切りを整理します。
今のハリアーの基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現行型の登場 | 2020年6月(4代目)。直近の一部改良は2026年8月3日発売 |
| パワートレーン | 2.5Lハイブリッドのみ(エンジン178PS+前モーター120PS。E-Fourは後輪用モーター54PSを追加) |
| 大きさ | 全長4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mm、ホイールベース2,690mm |
| 最小回転半径 | G 5.5m/Z・Z“Leather Package” 5.7m |
| 最低地上高 | 190mm |
| 乗車定員 | 5人 |
| WLTCモード燃費 | G 22.7km/L(E-Four 22.0km/L)/Z系 22.4km/L(E-Four 21.7km/L) |
| 使用燃料・タンク | レギュラー・55L |
| グレード | G/Z/Z“Leather Package”(ほかに特別仕様車の“Night Shade”系) |
| 価格(税込) | 439万6,700円〜540万6,500円(特別仕様車は502万1,500円〜556万1,600円) |
※トヨタ公式の主要諸元表・主要装備一覧表(2026年8月版)による。価格はCar Watch・car-repoの記事で一致。Z系で調光パノラマルーフを付けた場合、燃費は22.3km/L(E-Four 21.6km/L)になります。
ハリアーは、悪路を走るための四駆というより、街で乗る時間が長い人のための「上質なSUV」として作られた車です。低く流れるようなクーペのような屋根、上級車のような内装、静かさで選ばれてきました。今の4代目は、先代(5代目)のRAV4と同じ「TNGA-K」と呼ばれる骨格をもとに作られましたが、見た目と乗り味の方向はかなり違います。
今のハリアーで迷うのは「どのパワートレーンか」ではなく、「GかZか」と「四駆が要るか」の2つだけです。
2026年8月の改良で、何が変わった?
| 項目 | 改良前(2025年6月〜) | 改良後(2026年8月〜) |
|---|---|---|
| パワートレーン | 2.0Lガソリン/2.5Lハイブリッド/2.5L PHEV | 2.5Lハイブリッドのみ |
| いちばん安い価格 | 371万300円(ガソリン車・2WD) | 439万6,700円(ハイブリッドG・2WD) |
| いちばん高い価格 | 626万100円(PHEV) | 540万6,500円(通常モデル)、556万1,600円(特別仕様車) |
| アクセサリーコンセント | 全車標準ではなかった | AC100V・1500W(非常時給電システム付)を全車標準 |
| 特別仕様車 “Night Shade”系 | 487万800円〜541万900円 | 502万1,500円〜556万1,600円(黒い加飾を追加) |
※改良前の価格はCar Watch(2025年6月11日)・car-repo、改良後はCar Watch(2026年8月3日)・car-repoによる。
いちばん大きな変化は、選べるパワートレーンが1つになったことです。くるまのニュースが販売店に取材した記事によると、改良前はガソリン車が販売の2〜3割を占めていたといいます。その受け皿がなくなったことで、ハリアーの入り口の価格が大きく上がりました。
最安は68万円上がったのに、ハイブリッドどうしでは10万円前後
「68万円も値上げ」と聞くと、同じ車がそれだけ高くなったように感じます。ところが、中身を分けて見ると印象が変わります。
| 比べ方 | 上がった額 |
|---|---|
| いちばん安いハリアーどうし(ガソリン車→ハイブリッドG) | 68万6,400円 |
| ハイブリッドの通常モデルどうし | 9万5,700円 |
| 特別仕様車 “Night Shade”系どうし | 15万700円 |
※4,396,700−3,710,300=686,400円(編集部の計算)。ハイブリッドどうしの上げ幅はcar-repo・くるまのニュースの記事による。
68万円のほとんどは、値上げというより「安いガソリン車がなくなった」ことによる差です。ハイブリッドどうしで見れば上げ幅は約10万円で、その分、1500Wのアクセサリーコンセントが全車に付きました。
ハイブリッドを買うつもりだった人にとっては、ほぼ「コンセントが付いて10万円上がった」改良です。
ただし、ガソリン車のハリアーを考えていた人にとっては、話がまったく違います。予算が370万円台なら、今のハリアーでは届かず、ほかの車を検討することになります。販売店でも「手が届きにくくなった」という声が予想より多いと報じられています。
グレード別の価格
| グレード | 2WD | E-Four |
|---|---|---|
| G | 439万6,700円 | 461万6,700円 |
| Z | 486万6,400円 | 508万6,400円 |
| Z“Leather Package” | 518万6,500円 | 540万6,500円 |
| 特別仕様車 Z“Night Shade” | 502万1,500円 | 524万1,500円 |
| 特別仕様車 Z“Leather Package・Night Shade” | 534万1,600円 | 556万1,600円 |
※Car Watch(2026年8月3日)・car-repoで照合した2026年8月現在のメーカー希望小売価格。ボディカラーのプレシャスブラックパールは5万5,000円、プラチナホワイトパールマイカは3万8,500円の追加です。
E-Fourはどのグレードも2WDより22万円高く、GとZの差は2WD同士で46万9,700円、ZとZ“Leather Package”の差は32万100円です。
GかZか:差の47万円で何が付くか
公式の装備一覧表で、GとZの違いを見ていきます。
| 項目 | G | Z |
|---|---|---|
| タイヤ・ホイール | 18インチ(225/60R18) | 19インチ(225/55R19) |
| ナビ・オーディオ | 12.3インチのディスプレイオーディオ、6スピーカー | 12.3インチのディスプレイオーディオPlus+JBLの9スピーカー |
| 駐車支援 | バックガイドモニター(パノラミックビューモニターは8万8,000円のオプション) | パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付) |
| 調光パノラマルーフ | 選べない | 19万8,000円のオプション |
| 最小回転半径 | 5.5m | 5.7m |
| WLTCモード燃費(2WD) | 22.7km/L | 22.4km/L |
※トヨタ公式の主要諸元表・主要装備一覧表(2026年8月版)による。このほか、リヤルーフスポイラーの色、ドアの足元の照明、荷室の仕上げなどにも違いがあります。
Zで増えるのは、大きなタイヤと音、上から見下ろすような駐車用のカメラ、そしてパノラマルーフを選べることです。見た目の迫力と、車内で過ごす時間の心地よさにお金を払うグレードといえます。
一方で、Gにも大事なものはそろっています。運転支援の「Toyota Safety Sense」は全車標準で、12.3インチの画面もGに付きます。1500Wのコンセントも、2026年8月の改良から全車標準です。
見落としやすいのが、最小回転半径です。19インチを履くZは5.7mで、Gの5.5mより小回りがききません。狭い道や駐車場の出し入れが多い人には、Gの18インチのほうが扱いやすく、乗り心地も穏やかになりやすい組み合わせです。
駐車が苦手でパノラミックビューモニターが欲しいなら、Gに8万8,000円のオプションを付けても、Zとの差はまだ38万円あまり残ります。
※469,700−88,000=381,700円(編集部の計算)。
E-Four(四駆)にするかどうか
E-Fourは22万円高く、燃費は少し下がります(Gで2WD 22.7km/L、E-Four 22.0km/L)。
| 1年に走る距離 | 2WD(22.7km/L) | E-Four(22.0km/L) | 差 |
|---|---|---|---|
| 5,000km | 約3万7,400円 | 約3万8,600円 | 約1,200円 |
| 1万km | 約7万4,900円 | 約7万7,300円 | 約2,400円 |
| 1万5,000km | 約11万2,300円 | 約11万5,900円 | 約3,600円 |
※レギュラー1Lあたり170円と仮定し、WLTCモード燃費どおりに走った場合の計算例(1万kmなら10,000÷22.7≒440.5L×170円≒74,890円、10,000÷22.0≒454.5L×170円≒77,273円)。実際の燃費は季節や道路、乗り方で変わります。
燃料代の差は年に数千円で、迷うのは22万円の価格差のほうです。
E-Fourは、後輪をモーター(54PS)で動かし、発進やすべりやすい路面で後ろのタイヤにも力を配る仕組みです。雪の坂道での発進や、凍った駐車場から出るときに心強く、雪の多い地域に住んでいる人やスキーによく行く人には安心につながります。
一方で、雪がほとんど降らない地域で、冬はスタッドレスタイヤで十分という人なら、2WDを選び、浮いた22万円をGからZへの格上げやオプションにまわす考え方もあります。
全車に付いた「1500Wコンセント」は何に使える?
今回の改良で全車標準になったアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)は、荷室の右側に1つあり、車内で家電を使えるものです。非常時給電システムと外部給電アタッチメントが付いていて、停電のときには、車の外に電気を取り出して使うこともできます。
キャンプで電気ケトルを使う、停電のときにスマホや照明の電源にする、といった使い方ができます。ハイブリッド車を停電時の電源として使うときの考え方や、排気ガスへの注意は停電と車の電源の記事でまとめています。
ひとつ注意したいのは、応急用のスペアタイヤ(メーカーオプション)を選ぶと、このコンセントが付かなくなることです。標準ではパンク修理キットが積まれていて、スペアタイヤを選ぶと3万4,100円安くなる設定です。遠出が多くてスペアタイヤが欲しい人は、コンセントとどちらを取るかを決める必要があります。
買う前に知っておきたい割り切り
- ボディカラーは3色だけ。改良後の公式の資料に載っているのは、ブラック、プレシャスブラックパール、プラチナホワイトパールマイカの3色です。黒か白から選ぶことになります。
- 屋根が低く流れるぶん、後ろの席と荷室は「ほどほど」。全高は1,660mmで、クーペのような形を優先しています。背の高い荷物をよく積む人や、後席に大人が長時間乗ることが多い人は、実車で頭上と荷室の高さを確かめておくと安心です。
- 乗れるのは5人まで。3列目の設定はありません。
- 全幅は1,855mm。全長も4.7mを超えます。自宅の車庫や、よく使う駐車場の幅を確かめておきましょう。
- 納車まで数か月かかることがある。くるまのニュースの販売店への取材では、納期は2〜5か月程度で、特別仕様車の“Night Shade”系はさらに延びる可能性があるとされています(販売店の話で、地域や時期で変わります)。
※寸法・定員・ボディカラー・オプション価格は公式の主要諸元表・主要装備一覧表(2026年8月版)による。
次の全面改良について、くるまのニュースは早くても2027年後半から2028年ごろと見る記事を出していますが、トヨタからの発表はありません。今の型は2020年の登場から6年が過ぎていますが、改良を重ねて運転支援や装備は新しくなっています。
骨格を共有してきたRAV4は、ひと足先に6代目へ全面改良されています。どちらにするか迷っている人は新型RAV4の記事も参考にしてください。
どんな人に合う?
街乗り中心で、上質なSUVに乗りたい人
Gの2WDが、いちばん素直な選択です。18インチで小回りがきき、12.3インチの画面、運転支援、1500Wのコンセントまで付いて439万6,700円です。駐車に不安があるなら、パノラミックビューモニター(8万8,000円)だけ足すと、使い勝手がぐっと上がります。
音や見た目にもこだわりたい人
Zが候補です。19インチのタイヤ、JBLのスピーカー、パノラミックビューモニターが付き、パノラマルーフも選べます。黒い加飾が好みなら、Zより15万5,100円高い特別仕様車の“Night Shade”も見比べてみてください。
※5,021,500−4,866,400=155,100円(2WD同士、編集部の計算)。
雪の多い地域に住んでいる人
E-Fourが候補です。22万円高くなりますが、雪の坂道での発進の安心を買うつもりで考えましょう。最低地上高は2WDと同じ190mmです。
ガソリン車のハリアーを考えていた人
今は新車でガソリン車を選べません。370万円台の予算なら、ひとまわり小さいSUVや、ほかのメーカーの同じクラスと比べるのが現実的です。どうしてもハリアーにこだわるなら、改良前のガソリン車を中古車で探すという選び方もあります。
入り口は上がったが、迷いどころは減った
2026年8月の改良で、ハリアーは「安いガソリン車から選べる車」ではなくなりました。そのかわり、全車がハイブリッドで、コンセントまで付いた、選び方のわかりやすい車になっています。
決めるのは、GかZか、2WDかE-Fourか。毎日の駐車と走る道を思い浮かべながら、その2つを選べば、自分に合うハリアーにたどり着けます。
情報源
- トヨタ自動車「ハリアー」主要諸元表・主要装備一覧表(2026年8月版) toyota.jp
- Car Watch(トヨタ、「ハリアー」一部改良 ハイブリッドに一本化、2026年8月3日) car.watch.impress.co.jp
- car-repo(ハリアー一部改良 2026年8月3日発売) car-repo.jp
- くるまのニュース(新型ハリアーの最低価格の上昇と販売店の反響・納期) kuruma-news.jp
- Car Watch(トヨタ、「ハリアー」一部改良と特別仕様車“Night Shade”、2025年6月11日) car.watch.impress.co.jp
- トヨタ自動車 ニュースリリース(ハリアー 一部改良、2025年6月) global.toyota

