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西日・朝日がまぶしいとき、どう運転する? 危ないのは太陽が「10〜30度」の高さ、冬は昼過ぎから サンバイザーとサングラスは「両方」使う

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西日・朝日がまぶしいとき、どう運転する?
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「交差点を曲がった瞬間、正面から太陽。前の車も信号も、真っ白で何も見えない」——秋が深まると、こんな経験をする人が増えます。原因は、太陽の通り道が低くなること。夏なら夕方のほんの短い時間だった「まぶしい時間」が、冬に向かうほど長くなり、昼過ぎから始まるようになります。サンバイザーとサングラスの上手な使い方と、まぶしくて見えないときの走り方を、JAFの実験と警察の研究機関の分析から整理します。

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危ないのは、太陽の高さが「10〜30度」のとき

警察庁の附属機関である科学警察研究所は、太陽の位置と交通事故の関係を調べています。JAFの機関誌『JAF Mate』の記事によると、その分析では、太陽が地平線から10〜30度の高さにあるとき、ドライバーの目に光が直接入りやすく、事故の起きる割合が高くなりました。事故の種類では、歩行者との事故、右左折のとき、出会い頭の事故で、太陽の正面に近い向きで起きる割合が高かったといいます。

この「10〜30度」の太陽が、秋から冬にかけて長い時間居座るようになります。太陽がいちばん高く上がる正午ごろの高さ(南中高度)で比べてみます。

時期(東京の例) 正午ごろの太陽の高さ どんな一日になるか
夏至(6月下旬) 約78度 昼間はほぼ真上。低い太陽は朝夕の短い時間だけ
秋分(9月下旬) 約54度 朝と夕方に、低い太陽の時間がはっきり出てくる
冬至(12月下旬) 約31度 いちばん高いときでも30度前後。一日じゅう低い

※東京(北緯約35.7度)で、南中高度=90度−緯度+太陽の赤緯(夏至+23.4度、秋分0度、冬至−23.4度)として計算した目安です(例:90−35.7−23.4≒31度)。冬至の約31度という値は、JAF Mateの記事の記述とも一致します。地域や日付で少しずつ変わります。

冬は「夕方」ではなく「昼過ぎ」から危ない

「まぶしいのは夕方の話でしょう?」と思っている人ほど、ここが意外かもしれません。

同じ記事で紹介されている千葉県内の事故の分析では、事故の起きる割合が高い時間帯は、夏至に近い日で16時10分〜17時50分の100分間。それが冬至に近い日では、12時50分〜15時20分の150分間でした。冬のほうが約1.5倍長く、しかも始まりはお昼を少し過ぎたころです。

冬は太陽が一日じゅう低いので、「低い太陽」の時間帯が夕方だけでなく、昼過ぎまで広がります。さらに、秋から冬は空気が乾いて澄んでいるため、光が届きやすく、いっそうまぶしく感じやすいとされています。

秋から冬のまぶしさは、「日が沈む前のひととき」ではなく、「昼過ぎから夕方までずっと」と考えておくほうが実態に近いのです。

どれくらい見えなくなる? JAFの実験で分かったこと

JAFは、太陽の光と同じくらいの明るさを再現する装置を使い、正面からやや右寄りに光を当てる実験をしています。前方には、日なたと日陰の歩行者に見立てた人形、横断歩道を渡る人、対向車、信号機を置きました。

結果は、サンバイザーを使わないと、目がくらんで対象物はほとんど見えなくなる、というものでした。サンバイザーで光源を遮ると、見えるようになりました。もう1つ、実験で強調されているのが、一度目がくらむと、視力が戻るまでに時間がかかることです。まぶしさが消えたあとも、しばらくは見えにくさが残ります。

実際に起きた事故

JAF Mateは、西日による事故の例も紹介しています。晴れた1月下旬の午後3時前、東京都内の見通しのよい直線道路で、赤信号で止まっていた車に後続の車が追突しました。運転していた人は、交差点を左折した直後に、真正面から太陽の光を浴びたといいます。サンバイザーで光は遮ったものの、見えたのは約5m先の路面だけで、信号が変わったことにも、前の車が減速したことにも気づけなかったそうです。

この事故は物損で済みましたが、記事では、青信号の横断歩道を渡っていた歩行者が、西日で前が見えにくかったという車にはねられた事故も、栃木県や埼玉県の例として挙げられています。

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サンバイザーとサングラスは「どちらか」ではなく「両方」

まぶしさ対策の道具は、サンバイザーとサングラスです。ただ、どちらにも弱点があります。

道具 得意なこと 弱点
サンバイザー 上から来る太陽の光を、根元から遮れる 太陽がバイザーより低いと遮れない。下ろすと高い位置の信号や標識が隠れることがある
サングラス 目に入る光の量そのものを減らせる。偏光レンズなら路面やガラスの照り返しも減らせる 濃いほど効くが、日陰やトンネル、夕暮れでは暗い場所の人や物が見えにくくなる

サンバイザーを下ろしたら、信号が見えない?

「まぶしいからサンバイザーを下ろしたのに、今度は信号が隠れてしまった」——JAFの実験でも、サンバイザーを使うと上のほうにある信号機や標識が見えなくなる場合があることが確認されています。

体を起こして太陽を避ける人もいますが、モータージャーナリストの菰田潔さんは、そうすると高い位置の信号機がますます見えにくくなり、見落としの危険が増えると指摘しています。サンバイザーで太陽を遮りつつ、残ったまぶしさと信号の見やすさをサングラスで補う。菰田さんが勧めているのも、この2つの併用です。

見落としがちなのが、座る位置です。JAFは、シートが低すぎたり、ハンドルから遠すぎたりすると、サンバイザーで光を遮りきれないとして、シートの前後位置や高さの見直しを勧めています。

サングラスの濃さは「15%」が効いた。でも、濃いほどいいわけではない

サングラスの濃さは、どれだけ光を通すかを表す「可視光線透過率」で示されます。数字が小さいほど濃いレンズです。くるまのニュースが紹介したJAFの実験では、透過率75%では効果が薄く、30%で視線を向けやすくなり、15%ではまぶしさを感じなくなったとされています。JAF Mateの記事でも、透過率15%のサングラスで、信号機の色の違いが分かるようになったと書かれています。

ただし、同じ実験では、非常に強い光の条件では、サングラスだけで歩行者を確認できるほどまぶしさを抑えることはできませんでした。そして、濃いサングラスは、日が沈みかけた時間帯やトンネル、日陰では、暗い場所にいる人を見落とすおそれがあります。

サングラスは「かけっぱなし」にする道具ではなく、まぶしい時間だけかける道具です。車の中のすぐ取り出せる場所に置いておき、太陽が隠れたら外す。この切り替えまで含めて、まぶしさ対策です。

なお、太陽が低い時間帯は、路面や前の車からの照り返しもまぶしくなります。照り返しを抑えられる偏光レンズのサングラスは、運転用として勧められることが多いタイプです。

それでも見えないときの走り方

どんなに準備しても、交差点を曲がった瞬間に真正面から太陽、という場面はゼロにはできません。そのときの動き方を、菰田さんのアドバイスをもとにまとめます。

  • ブレーキを踏んで、ゆるやかに速度を落とす。急ブレーキは後ろの車に追突されるおそれがあります。アクセルを離すだけでなく、ブレーキペダルを踏んでブレーキランプを点け、後ろの車に減速を知らせます。
  • 太陽を直視しない。光源から視線を少しずらすだけで、見える範囲が広がります。とっさのときは、手で太陽を隠すのも有効です。
  • 曲がる前に、曲がった先の太陽を予測する。西へ向かう交差点、東へ向かう朝の道。「この先はまぶしくなる」と分かっていれば、曲がる前にサンバイザーを下ろし、速度を落としておけます。

菰田さんは、ふだんから4〜5秒先を見て運転する習慣をつけておくと、急にまぶしくなっても、1〜2秒は走れるだけの情報が頭に入っている、とも話しています。その1〜2秒の間に、サンバイザーを下ろす、速度を落とすといった対策を取れる、というわけです。

速度 1秒で進む距離 4〜5秒先は まぶしさで1〜2秒見えないと
時速30km 約8m 約33〜42m先 約8〜17m進む
時速40km 約11m 約44〜56m先 約11〜22m進む
時速60km 約17m 約67〜83m先 約17〜33m進む

※速度を秒速に直した単純な計算例です(例:時速40km÷3.6≒秒速11.1m、×4〜5秒≒44〜56m)。実際に止まるまでの距離は、反応の時間や路面の状態で変わります。

上の追突事故で、運転していた人に見えていたのは約5m先まででした。時速40kmなら、5mは0.5秒もかからずに進んでしまう距離です。見えない時間に進む距離を減らすには、速度を落とすことがいちばん確実です。

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太陽を背にしているときは、ライトを点ける

まぶしいのは、太陽に向かって走っている側だけではありません。太陽を背にして走っている車は、向かってくる車や歩行者から見ると、まぶしい光の中にいます。JAF Mateの記事は、西日を背にして走る車はライトを点けると見つけてもらいやすくなるとして、「まだ明るいから」と考えずに積極的に点灯することを勧めています。

同じことは歩く人にも言えます。JAFは、朝や夕方の太陽が低い時間帯は、ドライバーから見落とされている可能性を意識しておくとよい、としています。

自分の運転に当てはめると

毎日、東西方向に通勤する人

朝に東へ、夕方に西へ向かう通勤は、毎日太陽に向かって走ることになります。ルートの中で「この交差点を曲がるとまぶしい」という場所は決まっているはずです。その手前でサンバイザーを下ろし、サングラスをかける。このルーティンを作ってしまうのが、いちばん手軽な対策です。

子どもの送り迎えや、昼過ぎに買い物で走る人

冬の危ない時間帯が昼過ぎから始まるとすると、下校の時間や、午後の買い物の時間とちょうど重なります。横断歩道を渡る子どもは、低い太陽の中では特に見えにくくなります。住宅街や学校の近くで太陽に向かうときは、いつもより一段速度を落としておきましょう。

メガネをかけている人

サングラスに替えるのが手間なら、メガネの上からかけられるタイプや、度付きのサングラスを1つ用意しておく方法があります。太陽が隠れたらすぐ外せるよう、置き場所を決めておくことが大切です。

まぶしい時間をずらせる人

いちばん確実なのは、まぶしい時間に太陽へ向かって走らないことです。出かける時間や帰る時間を少しずらすだけで、太陽が正面に来る区間を避けられることもあります。

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「まぶしい」は、季節の予定に入れておく

西日のまぶしさは、天気予報には出てきません。でも、太陽の高さは毎年同じように変わっていきます。秋分を過ぎたら、まぶしい時間は少しずつ長くなり、冬至のころには昼過ぎから始まります。

この季節、車に乗る前にサングラスがあるか確かめる。それだけで、交差点の先の「真っ白な数秒」に備えることができます。

情報源

  • JAF Mate Online「事故ファイル」(西日の眩しさによる事故、科学警察研究所の分析、菰田潔氏の解説。2023年11月1日) jafmate.jp
  • JAF Mate Online「ユーザーテスト」(正面からの眩しい日差しを遮る方法の実験。2022年10月13日) jafmate.jp
  • くるまのニュース「“西日”がまぶしい! 午後のドライブで突然のピンチに!?」(2024年11月27日、JAFの実験の紹介) kuruma-news.jp
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