
「もう4000台も予約が入ったの? 今から申し込んだら、いつ届くんだろう」。三菱自動車の新型「パジェロ」の国内予約が、10月1日の受付開始からおよそ2週間で4000台に達しました。2026年10月14日、岸浦恵介社長がジャパンモビリティショーの会場で明らかにしたもので、4000台は同社が掲げていた2026年度の国内販売目標と同じ数です。価格がまだ正式に発表されていない段階での数字が何を意味するのか、これから予約を考える人は何を見ておけばいいのかを、報道と公式の情報から整理します。
10月14日に分かったこと
まず、今回伝えられた内容を、どこから出た情報かと合わせて並べておきます。
| 項目 | 中身 | 出どころ |
|---|---|---|
| 国内の予約 | 10月1日の受付開始から約2週間で4000台に到達 | 岸浦社長の発言(10月14日)として日本経済新聞・日刊自動車新聞が報道 |
| 国内の販売目標 | 2026年度で4000台。予約の段階ですでに上回った | 同上 |
| 増産 | 生産拠点のタイ工場で、日本向けの増産を検討 | 同上(規模や時期は公表されていない) |
| タイ工場の状況 | 豪雨による部品輸送の停滞で9月末から稼働を一時停止、10月12日までに再開。販売計画への影響は現時点でないとしている | 日本経済新聞 |
| 日本での正式発表 | 10月29日の予定 | 複数の媒体が報道 |
| 日本での発売 | 12月17日の予定 | 複数の媒体が報道 |
※三菱自動車の一般向けニュースリリースで示されている日本への投入時期は「2026年度」です。10月29日・12月17日は、メディア向けに示された予定として報じられている日付です。
社長は「日本市場での販売目標を26年度で4000台としていたが、予約受注で既に上回った」と述べ、少しでも早く顧客に届けるために日本向けの増産が必要だという考えを示したと報じられています。
価格が出る前の2週間で、1年分として見込んでいた台数の予約が集まった、というのが今回のニュースの中身です。
「目標と同じ4000台なのに、なぜ増産?」
数字だけを見ると、こう思うかもしれません。
「4000台が目標で、予約が4000台。ちょうど達成しただけでは?」
ここで大事なのは、比べている二つの数字の「期間」がまったく違うことです。目標の4000台は2026年度、つまり2027年3月末までに売る台数です。そして日本での発売は12月17日の予定なので、実際に売れる期間は12月17日から3月31日までの約3か月半しかありません。一方の予約は、10月1日からのわずか2週間で集まりました。
| 比べるもの | 期間 | 台数 | 1日あたり |
|---|---|---|---|
| 今回の予約 | 10月1日〜14日(14日間) | 4000台 | 約286台 |
| 2026年度の国内目標 | 12月17日〜2027年3月31日(105日間) | 4000台 | 約38台 |
※4000÷14=約286、4000÷105=約38。発売日を12月17日として、12月(15日)・1月(31日)・2月(28日)・3月(31日)を足した編集部の計算例です。目標は「年度で何台売るか」の数字で、実際の出荷が日割りで均等に進むわけではありません。
予約が集まった速さは、目標の台数を発売から年度末までの日数で割った「1日あたり」の約7.5倍にあたります(286÷38≒7.5)。目標の4000台を、発売から年度末までに届けられる台数のめやすと考えると、すでにその枠がいっぱいになった計算です。
「ちょうど達成」ではなく、「発売前に、年度末までの枠が埋まった」と読むのが実態に近い数字です。
三菱自動車は2026年度、世界全体で1万台の生産・販売を計画していると報じられています。日本の目標4000台は、その4割にあたります。タイ、日本、オーストラリアから販売を始め、2027年度以降に約100か国へ広げる計画なので、日本向けだけを急に増やすのは簡単ではありません。社長が「増産が必要」と言いつつ、あくまで「検討」にとどめているのは、こうした事情もあると考えられます。
「予約4000台」と「売れた4000台」は同じではない
今回の4000台は、あくまで「予約」の数です。登録や納車が済んだ「販売台数」とは別のものです。
特に今回の予約は、日本での価格が正式に発表される前に受け付けられています。10月29日に価格とグレードの中身が正式に出たあと、内容を見て考え直す人もいれば、逆に価格を見てから申し込む人もいるでしょう。つまり、4000台という数字はこれから多少動く可能性があります。
それでも、価格が分からない段階でこれだけの人が手を挙げたこと自体が、関心の大きさを示しています。2019年に国内向けの生産を終えてから約7年ぶりの復活で、「パジェロ」という名前を待っていた人が多かったと見ることができます。
なお、販売店への取材にもとづく報道では、予約は最上級のグレードに集まっているとも伝えられています。こちらは三菱自動車の公式な発表ではありません。
価格は10月29日に正式発表、報道されている数字の扱い方
日本での価格は、10月29日の正式発表で明らかになる予定です。一方で、販売店への取材をもとに、4つのグレードの価格を伝えている媒体が複数あります。
| グレード | 報道されている価格(税込) |
|---|---|
| GLS | 619万3,000円 |
| GSR | 676万5,000円 |
| EXCEED(エクシード) | 693万円 |
| SUPER EXCEED(スーパーエクシード) | 795万800円 |
※carview!、MOTAなどが販売店情報として報じた数字です。三菱自動車の正式な発表ではなく、実際の価格・装備は10月29日の発表で確認が必要です。
報道の数字のとおりだとすると、いちばん安いGLSと最上級のスーパーエクシードの差は176万円ほど(795万800円−619万3,000円=175万7,800円)。同じパジェロでも、グレードによって中身と値段の幅がかなり大きい車になりそうです。
4000台をすべていちばん安いGLSとして計算しても、619万3,000円×4000台で約248億円。2週間で、それだけの金額の車に予約が入ったことになります(編集部の計算例。実際のグレードの内訳は公表されていません)。
三菱自動車の公式の特設サイトでは、スーパーエクシードを2027年3月31日までに注文した人向けに、残価設定型クレジットの金利(実質年率3.7%)とグレード名のエンブレムを用意すると案内しています。最上級のグレードを、年度末までの注文で後押しする形です。
納期の手がかりは「増産がどうなるか」
これから予約を考える人にとって、いちばん気になるのは「いつ届くのか」でしょう。
はっきり言えるのは、増産はまだ「検討」の段階で、規模も時期も公表されていないということです。増産が決まったとしても、個々の注文の納期がすぐに早まるとは限りません。また、販売店への取材をもとにした報道の中には、グレードによって生産の始まりが2027年の春ごろになるとするものもありますが、媒体によって月が食い違っていて、公式には確認できていません。
今の段階で現実的なのは、次の二つを販売店に聞いて確かめることです。
- 自分が欲しいグレードは、いつごろ生産・納車の予定か。グレードによって時期が違う可能性があります。
- 価格が正式に出る前の予約は、どういう扱いか。申込金の有無や、10月29日の発表を見てから条件が合わなかったときにどうなるかは、販売店によって違う可能性があります。
「いつ届くか」は、全体の人気よりも「自分が選ぶグレード」と「増産の行方」で決まります。
車の中身(ラダーフレーム、2.4Lディーゼルと8速AT、先代からの変化など)は、9月の世界初公開の内容をまとめた新型パジェロ、10月1日から予約開始|価格発表前に知っておきたい「決まったこと」と先代からの変化で詳しく扱っています。
立場別に、今やっておきたいこと
すでに予約した人
10月29日の正式発表で、自分が選んだグレードの価格と装備が報道どおりかを確かめるのが最初の一歩です。あわせて、販売店から生産・納車のめやすを聞いておくと、今の車をいつ手放すかの計画が立てやすくなります。予約が年度の枠を超えている以上、納車が年度をまたぐ可能性も頭に置いておくと、あとで慌てずに済みます。
これから予約を考えている人
価格の発表を待つか、先に予約しておくかで迷うところです。価格を見てから決めたいなら、10月29日を待つのは自然な判断です。一方で、予約がすでに年度の目標を上回っていることを考えると、待つほど順番が後ろになる可能性はあります。「納得してから選びたい」のか「少しでも早く乗りたい」のか、自分の優先順位を先に決めておくと迷いが減ります。
ランドクルーザー250などと比べている人
新型パジェロは、全長4,920mm×全幅1,925mmと、ランドクルーザー250とほぼ同じクラスの大きさです。正式な価格が出れば、同じくらいの装備のグレード同士で比べられるようになります。ランドクルーザー250の今の状況はランドクルーザー250とはどんな車かで整理しています。どちらも人気が集まりやすい車なので、価格だけでなく納期も比べる材料に入れておきたいところです。
三菱の悪路に強い車を、もう少し手ごろに探している人
パジェロは報道どおりなら600万円台からの車です。三菱の車で悪路の走りを重視するなら、ミニバンのデリカD:5も候補になります。デリカD:5についてはデリカD:5とはどんな車かで、悪路に強い理由と割り切りを解説しています。
10月29日に確かめたい3つのこと
正式発表の日に見ておきたいのは、次の3点です。
- 価格とグレードごとの装備:報道されている数字と同じか。欲しい装備がどのグレードから付くか。
- 納車の時期:グレードごとの生産・納車のめやすが示されるか。
- 増産の中身:日本向けの台数をどれくらい、いつから増やすのか。
7年ぶりに戻ってくるパジェロには、発売前から1年分の予約が集まりました。待っていた人が多かったからこそ、これから手に入れるには少し時間がかかるかもしれません。
欲しいグレードを決めて、10月29日の発表を待つ。その一歩が、納車までの道のりをいちばん短くしてくれます。
情報源
- 日本経済新聞「三菱自動車の新型パジェロ、国内予約が2週間で4000台超に 増産も検討」(2026年10月14日) nikkei.com
- 日刊自動車新聞「三菱自、新型パジェロの予約受注が4000台超 今年度販売目標上回る 日本市場向け増産を検討」 netdenjd.com
- 三菱自動車「三菱自動車、新型クロスカントリーSUV『パジェロ』を世界初披露」(2026年9月2日) mitsubishi-motors.com
- 三菱自動車「新型パジェロ スペシャルサイト」 mitsubishi-motors.co.jp
- ベストカーWeb「新型パジェロ本日初披露、10月29日正式発表、12月17日発売!! 今年度内グローバルで1万台生産&販売」 bestcarweb.jp
- carview!「今なら年明けに手に入る!? 予約開始の新型『パジェロ』…800万円弱の最上級『スーパーエクシード』が一番人気」(2026年10月10日) carview.yahoo.co.jp
- MOTA「【価格判明】新型パジェロは619万3000円〜!」 autoc-one.jp
- transcarweb「三菱新型パジェロ 2週間で4000台超予約の人気、価格619万〜」(2026年10月15日) transcarweb.com
- Car Watch「三菱自動車、新型『パジェロ』世界初公開 走行性能と上質さを磨き上げフラグシップSUVとして2026年度発売」 car.watch.impress.co.jp

