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充電しないPHEVの燃費、プリウスはハイブリッド車より約9%悪く、RAV4は約1% 損かどうかは燃料代より「買う値段」で決まる

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充電しないPHEVの燃費と損得を考えるイメージ
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「家で充電はできないけれど、PHEVってガソリンだけでも走れるんでしょう? 補助金もあるし、それなら損はないのでは」——マンション住まいの人や、月極駐車場を使っている人がPHEV(プラグインハイブリッド車)を検討すると、必ずぶつかる疑問です。この記事では、トヨタのプリウスとRAV4を例に、PHEVを充電せずにハイブリッド車として走らせたときの燃費をカタログの数値で比べ、燃料代と買う値段のどちらで損得が決まるのかを整理します。

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充電しなくても走れる。そのときは「ハイブリッド車」になる

まず、充電しないと走れないのでは、という心配はいりません。トヨタのプリウス(PHEV)の取扱説明書では、電気だけで走るのに必要な電池の残量がなくなると、自動でHVモードに切りかわり、ガソリンエンジンと電気モーターを併用して走ると説明しています。ふつうのハイブリッド車と同じように、減速のときに発電した電気も使いながら走ります。

つまり、一度も充電しないPHEVは、ガソリンで走り、走りながら自分で発電するハイブリッド車として動き続けます。給油さえすれば、どこまでも走れる点は変わりません。

充電しないPHEVは、大きな電池を積んだハイブリッド車として走る。問題は、その「大きな電池」の重さと値段に見合うかどうかです。

燃費はどれだけ違うのか

同じ車種にハイブリッド車(HEV)とPHEVの両方があるトヨタのプリウスとRAV4で、上級グレード「Z」どうしを比べると次のとおりです。PHEVの燃費は、充電した電気を使い切ってハイブリッドとして走るときの値(WLTCモード)です。

項目 プリウス Z(HEV・2WD) プリウス Z(PHEV) RAV4 Z(HEV) RAV4 Z(PHEV)
ガソリンで走るときの燃費 28.4km/L 25.9km/L 22.5km/L 22.2km/L
HEVと比べた燃費 - 約9%悪い - 約1%悪い
電気だけで走れる距離 - 86km - 151km
車両重量 1,420kg 1,570kg (PHEVは大容量の電池を積む)
システム最高出力 (2.0L、PHEVのほうが高出力) 240PS 329PS
車両本体価格(税込) 399万8,500円 464万5,300円 490万円 600万円

※プリウスはトヨタ「プリウス 主要諸元表」(2026年7月・10月版)より、HEV・PHEVとも19インチタイヤの値。HEV Zの価格はPHEV Zとの差額64万6,800円から計算。RAV4は全車E-Fourで、燃費・電気だけで走れる距離・価格はトヨタの諸元をまとめた報道・販売店の情報で一致した値。燃費の比率は 25.9÷28.4≒0.91、22.2÷22.5≒0.99 の計算。

プリウスでは、PHEVのほうが約150kg重くなっています。大人2人分ほどの重さを、いつも余計に乗せて走っているようなものです。報道で紹介された業界関係者の話でも、旧型のプリウスPHVについて、重さの大部分は電池で、充電せずに使うと大容量の電池の利点がほぼ生かせず、重さが燃費を悪くすると指摘されています。

燃料代に直すと、差は次のくらいです。

車 年1万km走ったときのガソリン代(計算例) HEVとの差(1年) HEVとの差(10年)
プリウス Z(HEV) 約5万9,900円 - -
プリウス Z(PHEV・充電しない) 約6万5,600円 約5,800円高い 約5.8万円高い
RAV4 Z(HEV) 約7万5,600円 - -
RAV4 Z(PHEV・充電しない) 約7万6,600円 約1,000円高い 約1万円高い

※年間1万km、レギュラーガソリン170円/Lと仮定し、上の表のWLTCモード燃費で割った計算例(例:10,000÷25.9≒386.1L×170円≒6万5,600円)。実際の燃費は季節・道路・走り方で大きく変わり、カタログの値より悪くなるのが一般的です。

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重いなら、どの車も燃費はもっと悪くなるのでは?

「電池の分だけ重くなるなら、RAV4のPHEVだって燃費はかなり落ちるはずでは?」

表を見ると、そうはなっていません。プリウスはPHEVにすると燃費が約9%落ちるのに対して、RAV4は約1%しか違いません。RAV4のPHEVは、ハイブリッド車より出力が約1.4倍高いにもかかわらず、ガソリンで走るときの燃費はほぼ同じです。

差がここまで違う理由を、メーカーは公式には説明していません。ただ、もともと車体が大きく重いSUVと、軽さと空気抵抗の少なさを突き詰めたプリウスとでは、同じ「電池が増える」でも燃費への響き方が違っても不思議はありません。大事なのは、「PHEVは充電しないと燃費が悪い」とひとくくりにできないということです。

見るべきは「PHEVかどうか」ではなく、その車のカタログに載っている、ガソリンで走るときの燃費。車種によって、差は1割近くにもなれば、ほとんどゼロにもなります。

カタログでは、PHEVの燃費は「ハイブリッド燃料消費率」といった名前で、電気だけで走れる距離とは別の欄に書かれていることが多いので、検討している車の諸元表で確かめてみてください。

損得を決めるのは、燃料代より「買う値段」

燃料代の差は、プリウスでも年5,800円ほど、RAV4なら年1,000円ほどです。充電しないPHEVで本当に効いてくるのは、それよりずっと大きい、車両価格の差のほうです。

RAV4のZで見ると、PHEVはハイブリッド車より110万円高い車です。ただ、今はPHEVに国のCEV補助金(最大85万円)が出るため、補助金を引くと差は25万円まで縮みます(当サイトのRAV4の記事で計算したもの)。

充電しないなら、この25万円が燃料代で戻ってくることはありません。それどころか、ガソリン代の差で毎年およそ1,000円ずつ広がっていきます。

充電しないなら、PHEVとの価格差は燃料代では埋まらない。その差額は、力強い走りや装備に払うお金だと考えるほうが正確です。

さらに、経済産業省は2026年10月21日、2027年1月1日以降に登録される車からCEV補助金を減らすと発表しています。いちばん上の段のPHEVは、加算分を含めて85万円から51万円になる見込みで、RAV4のZどうしの差は、補助金を引いても59万円に広がる計算です(詳しくは補助金の見直しの記事)。補助金を受けた車を一定の期間内に手放すと、補助金の一部を返す必要があるとも報じられているので、短い期間で乗り換えるつもりの人は、申請の前に条件を確かめておきたいところです。

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走りながら充電すれば、代わりになる?

「コンセントで充電できなくても、エンジンで電池を満たして、街中だけ電気で走ればいいのでは」と考える人もいるかもしれません。PHEVには、走りながらエンジンで発電して電池を充電するモードが付いている車があります。

ただし、トヨタの取扱説明書は、プリウス(PHEV)のバッテリーチャージモードについて、発電のためにガソリンエンジンが作動するため、HVモードで走るときにくらべて燃料の消費量が増えると書いています。このモードで充電できるのは、コンセントで満充電にしたときの約80%までです。

ガソリンで作った電気を電池にためて、あとで使うだけなので、ガソリン代が浮くわけではありません。住宅街を静かに走りたいなど、電気で走る「場所」を選びたいときの機能で、コンセントからの充電の代わりにはならないと考えておくほうがよいでしょう。

たまにでも充電できるなら、話は変わる

ここまでの計算は、「一度も充電しない」場合です。勤務先や近くの商業施設で充電できる、実家に帰ったときだけは充電できる、というように、たまにでも電気を入れられるなら、そのぶんガソリンを使わずに走れます。RAV4のPHEVなら、満充電でカタログ上151km、プリウスなら86kmを電気で走れます。

ただ、外の充電スポットは自宅より料金が高く、急速充電だけに頼るとガソリンより高くつく場合もあります。外で充電するときの料金の考え方は、自宅と外出先の充電代の記事で整理しています。家で充電できる場合も含めたPHEVとハイブリッド車の選び方は、PHEVとHEVの記事にまとめています。

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自分の状況に当てはめると

マンション住まいで、これからPHEVかハイブリッド車かを選ぶ

充電できる見込みがないなら、基本はハイブリッド車が合います。それでもPHEVが気になるなら、燃費の差より「補助金を引いた価格差」を見て、その金額を走りの力強さや装備に払う価値があるかで決めます。補助金が減る2027年以降の登録になりそうなら、差がさらに広がる点も計算に入れておきます。

すでにPHEVに乗っていて、引っ越しで充電できなくなった

乗り続けても、困ることはありません。電池を使い切れば、ハイブリッド車として走ります。燃料代はハイブリッド車より少し高めになりますが、RAV4のように差がごく小さい車もあります。補助金を受けて買ってから日が浅いなら、手放す前に返納の条件を確かめましょう。

職場や近くの施設で、ときどきなら充電できる

電気で走る日が月に何日あるかで、燃料代は大きく変わります。外での充電の料金と手間を考えたうえで、「通勤の片道ぶんだけでも電気で走れる日がどれくらいあるか」を数えてみると、PHEVを選ぶ意味があるかが見えてきます。

燃料代より、加速や静かさで選びたい

充電しなくても、PHEVのほうが出力が高い車はあります。RAV4なら240PSに対して329PSです。燃料代の損得ではなく、走りの違いに価格差を払う、と割り切れるなら、充電しないPHEVも一つの選び方です。その場合は、試乗でハイブリッド車との違いを体で確かめてから決めるのが確実です。

充電しないPHEVに払うのは、燃料代ではなく電池の分

充電しないPHEVは、損をする車というより、大きな電池の重さと値段を、使わずに持ち歩く車です。ガソリン代の差は車種によっては小さく、本当の差は買うときの値段にあります。PHEVを選ぶ前に確かめたいのは、燃費の数字よりも、自分がその電池を何日コンセントにつなげるかです。

情報源

  • トヨタ「プリウス(PHEV)取扱説明書:EVモード・HVモード・バッテリーチャージモード」 manual.toyota.jp
  • トヨタ「プリウス 主要諸元表」(2026年10月) toyota.jp
  • トヨタ「プリウス 主要諸元表」(2026年7月) toyota.jp
  • ベストカーWeb「600万円のRAV4PHEVは高すぎるか!? EV走行151km&329psの実力」 bestcarweb.jp
  • Motor-Fan「PHEV対決、新型RAV4が別格すぎる!?」 motor-fan.jp
  • ウエインズトヨタ神奈川「新型RAV4の燃費は?」(2026年1月21日) weins-toyota-kanagawa.co.jp
  • くるまのニュース「新車490万円!トヨタの新『“カクカク”SUV』に注目!」 kuruma-news.jp
  • くるまのニュース「プラグインHV充電せずに使うメリットある? 電動化の切り札的存在が普及しづらい訳」(2021年2月26日) kuruma-news.jp
  • WEB CARTOP「補助金ありきでEVやPHEVを購入はOK! ただし短期間で手放すと『補助金の返納』が必要だった」 webcartop.jp
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