
朝いちばんにハンドルを握った瞬間、「冷たっ」と手を引っ込めたくなる季節になってきました。そこで気になるのがハンドルカバーですが、「サイズがS・Mとあって、自分の車がどれか分からない」「付けて運転しにくくならない?」と迷う人も多いはずです。カー用品メーカーの車種別サイズ表を見ると、いま売られている車の多くはSサイズで、例外はごく一部でした。サイズの見分け方と、冬に付ける前に知っておきたい注意点を整理します。
いま売られている車は、ほとんどがSサイズ
カー用品メーカーのボンフォームが公開している「車種別ハンドルサイズ表」(2026年8月31日更新)では、ハンドルの太さではなく「最大直径」でサイズを分けています。
| サイズ | ハンドルの最大直径 | 表で該当する、現在販売中の主な車 |
|---|---|---|
| SS | 35〜36.4cm | プリウス(60系)、プリウスPHEV(60系)、GR86、BRZ(現行)、bZ4X |
| S | 36.5〜37.9cm | N-BOX、スペーシア、タント、ハスラー、ジムニー、ヤリス、ノート、フリード、シエンタ、セレナ、ノア・ヴォクシー(90系)、アルファード(40系)、ランドクルーザー300・250など、表の大半 |
| M | 38〜39cm | ハイエースバン(200系)、デリカD:5 |
※ボンフォーム「車種別ハンドルサイズ表」より、年式の終わりが書かれていない(現在も販売中の)型を抜き出しました。フィットはRSを除く、サクラはX・Gのみなど、グレードの条件が付く車もあります。表に載っていない車や、2026年8月以降の新型・特別仕様車は、実際に測って確かめる必要があります。
表で現在販売中の車のうち、S以外になるのは、SSのプリウス・プリウスPHEV・GR86・BRZ・bZ4Xと、Mのハイエースバン・デリカD:5だけでした。軽自動車も、大きなミニバンやSUVも、多くは同じSサイズです。
迷ったら、まず「自分の車はSでいいのか、例外の側か」を確かめる。それだけで、サイズ選びの失敗の大半は防げます。
「大きい車ほどハンドルも大きい」わけではない
「ミニバンやランクルなら、Mサイズじゃないの?」
そう思うのが自然ですが、サイズ表を見ると、車の大きさとハンドルのサイズはほとんど関係がありません。むしろ、同じ車名でも代替わりのタイミングでサイズが変わっている例が目立ちます。
| 車名 | 先代(型・年式) | 現行(型・年式) |
|---|---|---|
| アルファード | M(30系、2015/1〜2023/6) | S(40系、2023/6〜) |
| ノア・ヴォクシー | M(80系、2014/1〜2022/1) | S(90系、2022/1〜) |
| ハリアー | M(60系、2013/12〜2020/6) | S(80系、2020/6〜) |
| エルグランド | M(E52系、2010/8〜2026/7) | S(NE53、2026/7〜) |
| ランドクルーザープラド→250 | M(150系、2013/9〜2024/4) | S(250系、2024/4〜) |
| プリウス | S(50系、2015/12〜2023/1) | SS(60系、2023/1〜) |
※いずれもボンフォーム「車種別ハンドルサイズ表」(2026年8月31日更新)の記載です。
以前は大きな車にMサイズのハンドルが付いていることが多かったものの、新しい型ではSにそろってきている、という流れが読み取れます。プリウスやGR86のように、スポーティーさを狙ってさらに小さいSSになった車もあります。
ここで困るのが、中古車に乗っている人や、前の車のカバーを付け替えようとしている人です。「アルファードだからこのサイズ」と車名だけで選ぶと、型が1つ違うだけで合わないことがあります。前の車で使っていたカバーをそのまま流用する場合も、同じ理由で一度確かめておきたいところです。
測るなら「いちばん長い直径」を、ミリ単位で
サイズ表に載っていない車や、型がはっきりしない車は、メジャーで測るのが確実です。ハンドルカバーを扱う販売店が案内している測り方は、次のようなものです。
- ハンドルの外側のふちを0cmとしてメジャーを当てる
- ハンドルの中心を通るようにして、反対側の外側のふちまで測る
- 角度を変えて何か所か測り、いちばん大きい数字を直径とする
何か所も測るのは、ハンドルが真円とは限らないからです。下側が平らな「D型」や楕円形のハンドルは、丸いハンドル用のカバーが合わないと案内している販売店もあります。
測った数字の差は、思ったより大きな意味を持ちます。Sサイズの範囲は36.5〜37.9cmで、その幅は1.4cmしかありません。ハンドルの直径が1cm違うと、ぐるりと一周の長さでは約3cm違います(1cm×円周率3.14)。カバーを一周ぴったり張って固定する以上、この数cmの差が「入らない」「ゆるくて回る」の分かれ目になります。
なお、S・Mの区切りはメーカーによって少し違います。ボンフォームのほか、ハセ・プロやクラッツィオもSを36.5〜37.9cm、Mを38〜39cmとしていますが、Mを37.5〜38.5cmとしているブランドもありました。「S」という文字ではなく、そのカバーが何cmのハンドル用かを見て選ぶのが確実です。
冬に付けると何が変わる? よい点と、気をつけたい点
ハンドルカバーを付けたときに起きる変化を、よい面と気をつけたい面に分けておきます。
| よい点 | 気をつけたい点 |
|---|---|
| 冷えたハンドルに直接触れずに済み、握った瞬間の冷たさがやわらぐ | 握る部分が太くなり、手の小さい人は握りにくく感じることがある |
| 表面に凹凸のある素材なら、手のひらがすべりにくい | ふわふわした起毛やファーの素材は、かえってすべりやすいと感じる人もいる |
| ハンドル表面の汚れやすり減りを防げる | 本革のハンドルに使うと、革を傷めたり色が変わったりするおそれがある(ボンフォームの注意書き) |
| 見た目の雰囲気を変えられる | サイズが合わないと、運転中にずれたり回ったりする |
なかでも、ずれやゆるみは見落とされがちです。販売店の多くは、サイズが合わないまま使うと運転のじゃまになるおそれがあるとして、必ず測ってから選ぶよう案内しています。付けたあとは、止まった状態でハンドルを左右に大きく回し、カバーが浮いたり回ったりしないかを一度確かめておくと安心です。
形にも種類があります。スポーク(ハンドルの中心から外へ伸びる部分)をよけるように切り欠いた「えぐり形状」のカバーは、ボンフォームの場合3本スポーク専用で、それ以外のハンドルには付けられません。左右の握る部分だけを覆う「ステアリンググリップ」タイプは、軽トラックなど一部の車に付けられないとされています。また、ハンドルの中央のパッド(エアバッグが入っている部分)やスイッチ類にかかるような付け方は避けたいところです。
冷たさだけが悩みなら、カバー以外の手もある
ハンドルカバーを付ける理由が「冬の冷たさ」だけなら、ほかの手段と比べてみる価値があります。
- ステアリングヒーター:ハンドルそのものを温める装備で、一部の車種・グレードに設定があります。たとえばスペーシアではグレードに応じて装着されていて、開発者は「しっかり握れる」点で安全面にも役立つと説明しています(ベストカーWeb)。自分の車にスイッチがないか、まず取扱説明書を確かめてみてください。
- 運転用の手袋:車を替えてもそのまま使え、本革ハンドルへの影響も気にしなくて済みます。ただし厚手の手袋はハンドルやスイッチの操作感が変わるので、薄手で手のひらがすべりにくいものが向いています。
- シートヒーター:体が温まると、手先の冷たさも和らぎます。後付けの選び方はシートヒーターの後付けは「上に敷く」か「中に入れる」かで整理しています。
エンジンをかけて暖房が効き始めるまでの数分が一番つらい、という人も多いはずです。暖房と燃費の関係は車の暖房で燃費は悪くなる?で詳しく書いています。
どんな人に向いている?
毎朝、屋外の駐車場から出かける人
冷え切ったハンドルを毎日握るなら、ハンドルカバーの効果を感じやすい使い方です。車名と型をサイズ表で確かめ、例外の車でなければSサイズを、合っているかは付けたあとにハンドルを回して確認します。
本革ハンドルの車に乗っている人
カバーで革を傷めたり色が変わったりするおそれがあるため、まずステアリングヒーターの有無を確かめ、なければ手袋で済ませるのも一つの考え方です。カバーを使う場合は、メーカーの注意書きを読んでから選びます。
中古車や、前の車のカバーを使い回したい人
同じ車名でも型でサイズが変わるので、車名で選ばず、メジャーで最大直径を測ってから選ぶのが確実です。
家族で1台を乗り回す人
手の大きさが違う人どうしだと、太くなったハンドルを握りにくく感じる人が出ることがあります。気になる場合は、まず冬の間だけ試して、全員が握りやすいかを確かめてから使い続けるかを決めると無駄がありません。
冬のハンドルカバーは「何を付けるか」より先に「何cmのハンドルか」。数字を一度確かめておけば、毎朝の「冷たっ」は、思ったより簡単に減らせます。
情報源
- ボンフォーム「車種別ハンドルサイズ表」(2026年8月31日更新) bonform.co.jp
- ハセ・プロ「ハンドルジャケットサイズ表」 hasepro.co.jp
- ニシキ産業「ハンドルカバー適合表」 nishikisangyo.com
- クラッツィオ「ハンドルカバー 適合一覧」 11i.co.jp
- ダティ「ステアリングカバー」 dotty.co.jp
- カーキュート「サイズや対応車種について」(測り方) carcute.com
- ココトリコ「ハンドルカバー取り付け方法」(測り方) cocotorico.com
- ベストカーWeb「新型スペーシアが絶対王者の新型N-BOXに勝てる4つのポイントとは?」(ステアリングヒーター) bestcarweb.jp

