
2026年のスーパーGTは、11月7日(土)・8日(日)にモビリティリゾートもてぎで行われる2レースで、年間王者が決まります。10月18日の第7戦オートポリスでは、ホンダ プレリュードで戦う100号車が今季2勝目を挙げ、首位のau TOM’S GR Supraとの差を3点まで詰めました。2日続けてレースがある異例の最終大会で、何がどうなればどちらが勝つのか。公式結果とランキングをもとに整理します。
第7戦オートポリス:100号車が勝ち、首位の36号車は8位
晴れのドライコンディションで行われた3時間レースは、予選4位からスタートした100号車 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)が制しました。GT500の上位は次のとおりです。
| 順位 | No. | 車両 | ドライバー |
|---|---|---|---|
| 1 | 100 | STANLEY HRC PRELUDE-GT | 山本尚貴/牧野任祐 |
| 2 | 38 | KeePer CERUMO GR Supra | 大湯都史樹/小林利徠斗 |
| 3 | 23 | MOTUL Niterra Z | 高星明誠/千代勝正 |
| 4 | 37 | Deloitte TOM’S GR Supra | 笹原右京/ジュリアーノ・アレジ |
| 5 | 12 | TRS IMPUL with SDG Z | 平峰一貴/ベルトラン・バゲット |
| 6 | 8 | ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT | 太田格之進/大津弘樹 |
| 8 | 36 | au TOM’S GR Supra | 坪井翔/山下健太 |
※SUPER GT第7戦 決勝結果(2026年10月18日、オートポリス、98周)より抜粋。2位との差は1.363秒。
ランキング首位で臨んだ36号車 au TOM’S GR Supraは、ピットでタイヤ交換中に給油を行ったとしてドライブスルーペナルティを受け、8位に終わりました。開幕から2連勝した首位チームが取りこぼし、ライバルが勝つ。王座争いが一気に縮まったレースでした。
ランキングは3点差。上位はこうなっている
| 順位 | No. | ドライバー | ポイント | 首位との差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 36 | 坪井翔/山下健太 | 61 | ― |
| 2 | 100 | 山本尚貴/牧野任祐 | 58 | 3点 |
| 3 | 17 | 塚越広大/野村勇斗 | 45 | 16点 |
| 4 | 38 | 大湯都史樹/小林利徠斗 | 43 | 18点 |
| 5 | 39 | 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ | 36 | 25点 |
※GT500ドライバーズランキング、第7戦終了時点(auto sport web、2026年10月19日)。首位との差は松ニュースによる計算。
今季の勝者を並べると、開幕の岡山と第2戦富士は36号車、第4戦富士と第7戦オートポリスは100号車、第5戦鈴鹿は16号車、第6戦SUGOは17号車。行われた6戦のうち4勝がプレリュード勢で、勝ち星の数では100号車と36号車が2勝ずつで並んでいます。
なぜ最終大会は「2レース」なのか
今季は6月に予定されていたマレーシア・セパンでの第3戦が延期になり、一時は全7戦で争われる予定でした。その後、第3戦の代わりのレースを、最終戦と同じもてぎの週末に行うことが決まりました。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 11月6日(金) | 専有走行 |
| 11月7日(土) | 9:00〜 予選/14:00〜 第3戦 決勝 |
| 11月8日(日) | 午前 予選/14:00〜 第8戦 決勝、表彰式 |
※モビリティリゾートもてぎ公式サイトの大会案内より。日程は変更される場合があります。
報道によると、レースの距離は通常の300kmより短い250km程度。予選も、いつもの勝ち抜き方式ではなく、各日20分間で1人のドライバーがタイムを出す形になる見込みと伝えられています(10月18日の記者会見で「参考」として説明された内容で、正式には今後公示される予定)。
土曜に1レース、日曜にもう1レース。年間8戦のうち2戦分のポイントが、たった2日間で配られます。
首位は重いハンデを背負う? 実は今回、差はほとんどない
スーパーGTには、ポイントを取ったチームほど車に重りを積む「サクセスウエイト」という仕組みがあります。ふだんの感覚だと、こう思うかもしれません。
「首位の36号車がいちばん重くなるなら、追う側が有利なのでは?」
ところが、今回のもてぎではその心配はほとんどありません。重りは「何戦目のレースか」で量が決まり、終盤ほど軽くなるからです。
| レース | 1点あたりの重り | 36号車(61点) | 100号車(58点) |
|---|---|---|---|
| 第7戦 オートポリス(6戦目) | 2kg | (このレースは終了) | |
| 第3戦 もてぎ・土曜(7戦目) | 1kg | 61kg相当 | 58kg相当 |
| 第8戦 もてぎ・日曜(8戦目) | 0kg | 0kg | 0kg |
※1点あたりの搭載量はauto sport web(2026年9月24日)によるブルテンの内容から。各車の重さはポイント×1kgで計算した目安で、実際の搭載方法(燃料流量の制限などへの置き換えを含む)は規則によります。
土曜の第3戦で、首位2台の重りの差は3kg分ほど。日曜の最終戦は全車が重りなしです。王座は、ハンデではなく、ほぼそのままの速さと戦い方の勝負で決まります。むしろ土曜は、ポイントの少ない17号車(45kg相当)や38号車(43kg相当)のほうが軽く走れる分、上位2台の争いに割って入りやすい条件といえます。
どうなれば、どちらが王者? 計算例で見る
GT500のポイントは、優勝20点、2位15点、3位11点、4位8点、5位6点、6位5点、7位4点、8位3点、9位2点、10位1点で、予選でポールポジションを取ると1点が加わります。2レース合わせて、1台が取れるのは最大42点です。
首位2台だけに注目し、ポールポジションの点を除いた計算例です。
| もてぎ2レースの結果(仮定) | 36号車 | 100号車 | 王者 |
|---|---|---|---|
| 100号車が2連勝、36号車は2戦とも2位 | 61+15+15=91 | 58+20+20=98 | 100号車 |
| 1勝ずつ、もう1戦は互いに2位 | 61+20+15=96 | 58+15+20=93 | 36号車 |
| 2戦とも100号車が2位、36号車が3位 | 61+11+11=83 | 58+15+15=88 | 100号車 |
| 2戦とも100号車が3位、36号車が4位 | 61+8+8=77 | 58+11+11=80 | 100号車 |
| 36号車が2連勝 | 61+20+20=101 | 最大でも90 | 36号車 |
※ポールポジションの1点、他車の結果、同点になった場合の順位の決め方は考慮していない計算例です。
表から見えるのは、3点という差の重さです。1つ順位が違うだけで、1位と2位なら5点、2位と3位なら4点、3位と4位なら3点の差がつきます。
100号車は、2レースの合計で36号車より4点以上多く取れば逆転できます。逆に、勝ち星を分け合って互いに2位を取るような展開なら、36号車が3点差のまま逃げ切ります。
100号車が2連勝した場合、36号車は2戦とも2位に入っても届きません(ポール2回分の2点を足しても93点で98点に届かない)。一方で、36号車が2連勝すれば、100号車がどんな結果でも逆転はありません。ポールポジションの1点も、この差では無視できない重さです。
3位以下にも可能性は残る
16点差の17号車、18点差の38号車も、計算上は可能性を残しています。たとえば17号車が2連勝して85点になった場合、36号車は2戦で25点以上、100号車は28点以上取らないと上回れません(同点になる場合を除く)。上位2台がそろって崩れる必要があるため簡単ではありませんが、土曜は重りが軽い分、先手を取りやすい立場です。
GT300は56号車が15点リード
GT300クラスでは、56号車(KONDO RACING、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)が71点で首位。2位の7号車(CARGUY MKS RACING)のザック・オサリバンが56点で、15点差です。第7戦は96号車 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)が制しました。GT300は優勝25点と配点の幅が大きく、2レースで最大50点(ポールポジションの点を除く)が動くため、こちらもまだ決着していません。
見に行くなら
もてぎの公式サイトによると、16〜23歳は「16-23 ZERO円パス」を申し込むと入場と観戦が無料になります。また、第8戦の観戦券を持っていれば、11月6日(金)の走行日の入場料も無料です。料金や駐車場、当日の交通の案内は、大会の公式ページで最新の情報を確認してください。
土日の2レースで、どちらの日も14時に決勝がスタートします。どちらか1日だけ行くなら、土曜は重りが残る中での「最後の駆け引き」、日曜は重りなしで王者が決まる瞬間、と性格が違います。
なお、第7戦で6位に入った8号車の太田格之進は、国内トップフォーミュラのスーパーフォーミュラで、10月の富士大会を終えた時点のランキング首位に立ち、11月下旬の鈴鹿で王座を争います(スーパーフォーミュラの王座争いの記事)。秋の国内レースは、どちらのシリーズも最終戦まで目が離せない展開です。
開幕2連勝で始まった36号車のシーズンは、最後の2日間で、プレリュードの100号車に追いつかれるかどうかの勝負になりました。
3点差は、1レースの順位ひとつでひっくり返る差です。土曜の結果しだいでは日曜を待たずに決まることもありますが、多くの展開では、王者が決まるのは11月8日(日)の最終戦のチェッカーです。
参考にした情報
- SUPER GT 第7戦オートポリス 決勝結果(fmotor) fmotor.jp
- auto sport web【ポイントランキング】2026年スーパーGT第7戦オートポリス終了時点(2026年10月19日) as-web.jp
- スポーツ報知「第7戦・GT500はスタンレーが優勝、今季2勝目」(2026年10月18日) news.infoseek.co.jp
- モビリティリゾートもてぎ「2026 AUTOBACS SUPER GT Round8」 mr-motegi.jp
- auto sport web「全7戦から全8戦に戻った2026年のスーパーGT。ポイントや第7戦〜第8戦のサクセスウエイト搭載量も変更に」(2026年9月24日) news.yahoo.co.jp
- auto sport web「ダブルヘッダー開催のスーパーGT第3戦/第8戦もてぎの詳細が少しずつ明らかに」(2026年10月18日) news.yahoo.co.jp
- motorsport.com日本版「今年のスーパーGTもてぎ大会は土日2レース開催のダブルヘッダーに」 jp.motorsport.com
- Wikipedia「2026年のSUPER GT」(ポイント配分・各戦の勝者) ja.wikipedia.org

