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オールシーズンタイヤとスタッドレス、どっちがいい? 分かれ目は雪の量より「凍った道を走るかどうか」、JAFのテストでは氷の上で夏タイヤ並み

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オールシーズンタイヤとスタッドレス どっちがいい 分かれ目は凍った道
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「雪なんて年に1〜2回しか降らないのに、毎年スタッドレスに替えるのは面倒。オールシーズンタイヤで済ませちゃダメ?」――冬タイヤの準備を考え始める10月、多くの人が迷うところです。オールシーズンタイヤは、1年中履いたままでいられる便利なタイヤです。ただ、JAFのテストを見ると、得意な路面と苦手な路面がはっきり分かれています。この記事では、どちらを選ぶかの分かれ目を「雪の量」ではなく「凍った道を走るかどうか」から考えます。

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先に結論:分かれ目は「凍った道を走るかどうか」

あなたの冬の運転 向いているタイヤ
雪はたまに降る程度。降った日は乗らない・遠出しない選択もできる オールシーズンタイヤが候補になる
雪の日でも通勤などで毎日乗る。朝晩に路面が凍る道を通る スタッドレスタイヤ
雪国・山間部に住んでいる、または冬に雪山へよく行く スタッドレスタイヤ(必要に応じてチェーンも)
タイヤの置き場所がなく、雪の少ない都市部で乗る オールシーズンタイヤが候補。ただし凍った日は乗らない前提で

オールシーズンタイヤは、「雪が少しある道」なら夏タイヤよりずっと頼りになります。一方で、「凍った道」ではスタッドレスに大きく負けます。降る雪の量が少ない地域でも、橋の上や日陰、朝晩の冷え込みで路面が凍ることはあります。

選ぶ基準は「雪が何回降るか」ではなく、「凍った道を走らずに済む生活かどうか」です。

JAFのテスト:雪の上では中間、氷の上では夏タイヤ並み

JAFは2017年2月、新品のタイヤを使い、時速40kmからブレーキをかけて止まるまでの距離を、雪を踏み固めた「圧雪路」と、氷を張った「氷盤路」で測りました。

路面(時速40kmから) スタッドレス オールシーズン 夏タイヤ(ノーマル)
圧雪路 17.3m 22.7m 29.9m
氷盤路 78.5m 101.1m 105.4m

※JAF「『オールシーズンタイヤ』って、どんなタイヤですか?」で紹介されているテスト結果(2017年2月、新品タイヤ、3回の平均)。同じ数値はWEB CARTOPなどの報道でも確認しました。テストから年数がたっており、現在の製品では性能が変わっている可能性があります。

数字の差を、身近な長さに置き換えてみます。乗用車1台の長さを約4.5mとすると、次のようになります。

  • 圧雪路:オールシーズンはスタッドレスより5.4m長く、ほぼ車1台分。夏タイヤとの差は7.2mで、こちらも車1台半ほどオールシーズンが有利です。
  • 氷盤路:オールシーズンはスタッドレスより22.6m長く、車およそ5台分。夏タイヤとの差は4.3mしかありません。

※差は編集部の計算(22.7−17.3=5.4、29.9−22.7=7.2、101.1−78.5=22.6、105.4−101.1=4.3、22.6÷4.5≒5台)。車の長さは目安です。

「雪に強いのに、氷には弱い」のはなぜ?

「雪道を走れるタイヤなら、氷も大丈夫なんじゃないの?」と思うかもしれません。しかし、雪と氷では、タイヤが道をつかむ仕組みが違います。

踏み固められた雪の上では、タイヤの溝が雪をかみ込み、雪と雪がくっつく力で前に進みます。オールシーズンタイヤは、雪や水を逃がしやすい溝の形をしているので、この路面ではそれなりに力を出せます。

一方、氷の表面はとても滑らかで、溝でかみつく相手がありません。ここで効くのは、低い温度でも硬くならないゴムが、氷の細かな凹凸に密着することです。スタッドレスタイヤは、この「冷えても柔らかいゴム」に特化しています。JAFも、アイスバーンなどの凍った路面ではオールシーズンタイヤはスタッドレスに劣り、メーカーもそうした路面ではスタッドレスを勧めていると説明しています。

つまり、オールシーズンタイヤは「雪道もそこそこ走れる夏タイヤ」に近い存在で、「1年中履けるスタッドレス」ではありません。

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「1セットで済むから安い」は本当?

オールシーズンタイヤを選ぶ理由として、「タイヤが1セットで済むから安い」という声はよく聞きます。ただ、ここには少し誤解が混ざっています。

タイヤは、走った距離に応じてすり減ります。夏タイヤとスタッドレスを半年ずつ使う人は、2セットのタイヤに走行距離を分けているだけで、1年に減るゴムの量の合計は、オールシーズン1セットで1年走る人と大きくは変わりません。オールシーズンタイヤは1年中すり減り続けるので、そのぶん早く替え時が来ます。

オールシーズンで本当に浮くのは「タイヤ代」より、「年2回の付け替えの手間と工賃」「置き場所」「冬用ホイール代」です。

たとえば、ホイールごと付け替える「履き替え」の工賃を1回4,400円とすると(くるまのニュースが2024年10月に東京都内の3店舗で調べた17インチ・4本のうち、タイヤショップとカー用品店の例)、春と秋の年2回で8,800円、5年で4万4,000円になります。このほか、自宅に置けなければ保管サービスの料金、冬用ホイールを買うならその代金もかかります。

※1回4,400円は一例で、ガソリンスタンドでは1万1,000円だった例もあり、店や地域・タイヤの大きさで大きく変わります(4,400×2=8,800円、×5年=44,000円は編集部の計算例)。

一方で、スタッドレスタイヤには「溝が残っていても、ゴムが古くなると氷の上で効きにくくなる」という弱点もあります。冬しか使わないのに年数で替え時が来てしまう点は、スタッドレスタイヤの寿命は何年?で詳しく整理しています。冬用ホイールを用意するかどうかの損得は、冬タイヤはホイールごと買う? 組み換えで済ませる?で計算しています。

実際、どれくらいの人がオールシーズンを使っている?

JAF Mate Onlineが2025年11月に公表した全国アンケート(回答3万2,544人)では、冬タイヤに交換すると答えた人は約45%でした。北海道・東北・日本海側ではほぼ100%が交換する一方、関東や西日本では交換しない人が多く、オールシーズンタイヤで足りると考える声も目立ったといいます。

項目 結果
冬タイヤに交換する人 全体で約45%(北海道・東北・日本海側はほぼ100%)
オールシーズンタイヤを使っている人 全体で約17%(福岡32%、東京21%)
使っている人のうち「今後も使いたい」 92%
使っていない人のうち「今後使ってみたい」 24%

※JAF Mate Online(2025年11月5日)の独自アンケートより。調査時期は記事に明記されていません。

雪の少ない都市部ほどオールシーズンタイヤの利用が多く、使った人の満足度も高いことがわかります。裏を返せば、オールシーズンタイヤが満足されているのは、「凍った道をあまり走らない地域」で使われているから、とも読めます。

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氷にも強い新しいオールシーズンも出てきた

ここ数年で、オールシーズンタイヤの弱点だった氷の上の性能を高めた製品も登場しています。たとえば住友ゴム工業が2024年10月に発売したダンロップ「シンクロウェザー」は、水や低い温度に反応してゴムの性質が変わる技術を使い、メーカーの試験では同社の標準的なスタッドレスタイヤとほぼ同じ氷上ブレーキ性能(制動距離の指数でスタッドレス98、シンクロウェザー100)だったと発表しています。

こうした製品には、雪の上の性能の基準を満たした印「スノーフレークマーク」に加え、国連の規則で決められた氷の上の性能の基準を満たした印「アイスグリップシンボル」が付いています。オールシーズンタイヤを選ぶときは、タイヤの横にこれらの印があるかを確かめると、雪や氷への強さの目安になります。

※性能はメーカー発表の試験結果で、試験条件のもとでの比較です。製品によって性能は大きく違い、JAFのテスト(2017年)の結果がそのまま当てはまるとは限りません。特定の商品をすすめるものではありません。

ただし、どんなに性能が上がっても、「凍った道ではいつもより長く止まる」ことは、スタッドレスタイヤでも同じです。JAFの氷盤路のテストでは、スタッドレスでも時速40kmから78.5m。圧雪路の4倍以上の距離が必要でした(78.5÷17.3≒4.5)。

あなたはどっち?

東京・大阪などの都市部で、雪の日は乗らなくても困らない人

オールシーズンタイヤが向いています。マンション住まいでタイヤの置き場所がない人には、とくに大きなメリットです。そのうえで、雪や凍結の予報が出た日は「乗らない」「電車にする」と決めておくと、オールシーズンの弱点に当たらずに済みます。

雪は少ないけれど、毎朝早く車で通勤する人

悩ましいタイプです。積もる雪は少なくても、冬の早朝は橋の上やトンネルの出入り口、日陰が凍りやすい時間帯です。通勤ルートにそうした場所があり、休めない仕事なら、スタッドレスを選ぶほうが安心です。オールシーズンにするなら、氷の上の性能の基準を満たした製品かどうかを確かめましょう。

雪国・山間部に住んでいる人

スタッドレスタイヤが基本です。JAFも、雪国や山岳地帯では雪が見えない場所でも、溶けた雪や霜で路面が凍っていることがあると注意を呼びかけています。交換の時期の目安は冬タイヤへの交換はいつがいい?を参考にしてください。

ふだんは雪のない地域だけど、冬にスキーや雪山へ行く人

行き先の山道は、凍結や深い雪が当たり前の環境です。オールシーズンタイヤだけで向かうのは心細く、スタッドレスを用意するか、少なくともチェーンを積んでおきたいところです。雪山へ出かける前の準備はスキー・雪山ドライブの準備でまとめています。

オールシーズンタイヤは、冬の手間を減らしてくれる便利な選択肢です。ただ、その便利さは「凍った道を走らない」という条件つきで成り立っています。タイヤを選ぶ前に、冬の朝、自分がどの道を、何時ごろ走るのかを思い浮かべてみてください。答えはたいてい、そこに出ています。

情報源

  • JAF クルマ何でも質問箱「『オールシーズンタイヤ』って、どんなタイヤですか?」 jaf.or.jp
  • WEB CARTOP「夏タイヤ・冬タイヤ・オールシーズンタイヤってそもそも何?」 webcartop.jp
  • JAF Mate Online「冬タイヤ」に関する全国アンケート(2025年11月5日) jafmate.jp
  • 住友ゴム工業「あらゆる路面にシンクロする次世代オールシーズンタイヤを新発売」(2024年7月22日) kyodonewsprwire.jp
  • くるまのニュース「冬から夏へタイヤ交換『組み換え』or『履き替え』何が違う?」(2025年4月12日、工賃の調査例) kuruma-news.jp
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