
「Q5に前輪駆動が出たらしい。四駆をやめると、いくら安くなるの?」——アウディ ジャパンは2026年10月21日、ミッドサイズSUV「Q5」とクーペ風の「Q5 スポーツバック」に、前輪駆動(FF)のモデルを追加して発売しました。これまで日本のQ5は、全車が四輪駆動の「quattro(クワトロ)」でした。Q5の新しい入り口は749万円で、クワトロのガソリン車より38万円安くなります。ただし、この38万円には「グレードの違い」も入っています。この記事では、発表で決まったことと、既存のクワトロとの価格差を並べ、四駆を外していい人の目安を整理します。
決まったこと
アウディ ジャパンの発表資料と、Car Watch・Motor-Fanの報道で確認できた内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表・発売 | 2026年10月21日、全国のアウディ正規ディーラー(発表時点で127店舗)で発売 |
| 対象 | Q5、Q5 スポーツバック |
| 追加グレード | 「advanced LE」「advanced」の2つ(どちらも前輪駆動) |
| エンジン | 2.0L直列4気筒ターボ(TFSI)、204PS・340N·m、ガソリン |
| 電動化 | 48Vのマイルドハイブリッド「MHEV plus」。減速時に最大25kWを回収し、加速時に最大18kWでエンジンを手助けする。条件がそろえばエンジンを止めて走れる |
| 変速機 | 7速Sトロニック(デュアルクラッチ式) |
| 燃費(WLTCモード) | Q5 14.7km/L、Q5 スポーツバック 14.8km/L |
| 荷室 | Q5 520L、Q5 スポーツバック 515L |
アウディは追加の狙いを、街中での走行が中心の人や、四輪駆動にこだわらない人の要望に応えるため、と説明しています。
中身は既存のガソリン車と同じ204PSの2.0Lターボで、変わったのは「後ろのタイヤを駆動するかどうか」です。
価格:クワトロとの差は「38万円」と「16万円」
新しい前輪駆動の価格を、2026年4月発売分のクワトロ(Motor-Fan・オートックワンのカタログ掲載価格)と並べると、次のようになります。
| グレード | 駆動 | Q5 | Q5 スポーツバック |
|---|---|---|---|
| TFSI advanced LE | 前輪駆動(新設) | 749万円 | 784万円 |
| TFSI advanced | 前輪駆動(新設) | 771万円 | 806万円 |
| TFSI quattro advanced | 四輪駆動 | 787万円 | 822万円 |
| TDI quattro advanced | 四輪駆動(ディーゼル) | 815万円 | 850万円 |
※消費税込み。前輪駆動の価格はMotor-Fanの報道とカタログ、クワトロの価格はMotor-Fan・オートックワンのカタログ掲載価格(2026年4月発売分)で一致しています。オプションや今後の価格改定で変わります。
「クワトロより38万円安い」と「16万円安い」は、どちらも正しい数字です。
38万円は、いちばん安い前輪駆動の「advanced LE」と、クワトロの「advanced」の差です。advanced LEは前席がスポーツシートで、シートの表地は布(パッセージクロス)です。一方、前輪駆動の「advanced」は、レザー/人工皮革のシートに、色を選べるアンビエントライト(室内の間接照明)や、光るドアの敷居などが付きます。この2つの間の差が22万円です。
同じ「advanced」の名前どうしで比べると、前輪駆動とクワトロの差は16万円です。Q5でもQ5 スポーツバックでも、この差は同じです。
※計算例:787−749=38万円、787−771=16万円、771−749=22万円。スポーツバックは822−784=38万円、822−806=16万円。前輪駆動とクワトロの「advanced」どうしで、駆動方式以外の装備に違いがあるかは、今回の発表資料には書かれていません。
四駆を外して浮くお金は16万円、シートを布にしてさらに22万円。38万円は、この2つを足した数字です。
16万円を5年(60か月)で割ると1か月あたり約2,670円、38万円なら約6,330円です(計算例。乗る年数は仮定で、ローンの金利などで実際の負担は変わります)。
入り口は、発売当初の価格より11万円下がった
今回の前輪駆動には、もう一つの意味があります。3代目の現行Q5が日本で発売された2025年7月、ガソリンのクワトロ(advanced)は760万円、スポーツバックは795万円でした。それが2026年4月発売分では787万円、822万円と、どちらも27万円上がっています。
| いちばん安いQ5の価格 | Q5 | Q5 スポーツバック |
|---|---|---|
| 2025年7月(発売当初、クワトロ) | 760万円 | 795万円 |
| 2026年4月(クワトロ) | 787万円 | 822万円 |
| 2026年10月(前輪駆動 advanced LE) | 749万円 | 784万円 |
※Motor-Fanのカタログに掲載された各時期の価格。計算例:787−760=27万円、760−749=11万円、795−784=11万円。
つまり、前輪駆動のadvanced LEは、発売当初のいちばん安いQ5よりも11万円安い入り口になりました。値上がりで700万円台後半になっていたQ5を、700万円台前半から選べるようにした追加、と見ることもできます。
四駆を外していい人、外さないほうがいい人
「同じ車で16万円しか違わないなら、四駆のほうが安心では?」
そう迷う人は多いはずです。四輪駆動のよさがはっきり出るのは、雪や凍った路面での発進や上り坂、ぬかるんだ道など、タイヤが滑りやすい場面です。逆に言えば、乾いた舗装路を走る毎日では、前輪駆動と四輪駆動の差を感じる場面はあまり多くありません。
ここで覚えておきたいのは、四輪駆動は「進む力」を助けるもので、止まる力や曲がる力を増やすものではない、という点です。雪道で止まれるかどうかは、駆動方式よりタイヤの状態に大きく左右されます。そのため、冬だけ雪道を走る機会がある人の中には、前輪駆動を選んでスタッドレスタイヤに予算を回す、という考え方をする人もいます。
決め手は「年に何日、滑りやすい道を走るか」です。
なお、前輪駆動のエンジンはガソリン(ハイオク)のTFSIだけで、ディーゼルのTDIを選ぶならクワトロになります。前輪駆動の燃費(14.7km/L)がクワトロに比べてどれだけ良いかは、今回確認できた資料では比べられませんでした。試乗や見積もりの際に、販売店でグレードごとの燃費と車両重量を並べてもらうのが確実です。
あなたの場合はどう考える?
都市部に住み、雪道はほとんど走らない
前輪駆動の「advanced」がいちばん分かりやすい選択肢です。クワトロとの差の16万円は、オプションの「S lineパッケージ」(19インチホイールやスポーツシートなど)や、ほかの装備に回すこともできます。
とにかく入り口の価格でQ5に乗りたい
advanced LEの749万円が最安です。マトリクスLEDヘッドライト、14.5インチのタッチディスプレイ、追従型のクルーズコントロールやサラウンドビューカメラなどは、advancedと共通で付きます。差は主にシートの表地と室内の飾りなので、実車でシートの座り心地と見た目を確かめてから決めるのがおすすめです。
冬にスキー場や雪の多い地域へよく出かける
年に何度も雪道を走るなら、16万円を払ってクワトロを選ぶ意味は大きくなります。長い距離を走る人なら、燃料代も含めてディーゼルのTDI クワトロと比べる価値があります。
スポーツバックの形が気に入っている
スポーツバックにも同じ2グレードの前輪駆動が用意され、どのグレードもQ5より35万円高という関係は変わりません。荷室はQ5の520Lに対して515Lと、大きな差はありません。
「16万円で何を買うか」で考える
今回の追加で、Q5を選ぶ人は「四輪駆動に16万円を払うか」を自分で決められるようになりました。雪道を走る日が少ないなら、その16万円をタイヤや装備に回す。走る日が多いなら、迷わず四駆にする。価格表の数字より、自分が走る道を思い浮かべて決めるのがいちばん確かです。
輸入車の改良の例としては、ルノー キャプチャーのハイブリッドの改良の記事でも、値上げの中身を整理しています。
情報源
- アウディ ジャパン「Audi Q5 / Q5 Sportbackに前輪駆動モデルを導入」(2026年10月21日) digitalpr.jp
- Car Watch(Q5/Q5スポーツバックの前輪駆動モデル追加の報道) car.watch.impress.co.jp
- Motor-Fan(アウディ Q5/Q5 スポーツバックの前輪駆動モデル) motor-fan.jp
- Motor-Fan「アウディ Q5 歴代モデル・グレード一覧」 car.motor-fan.jp
- Motor-Fan「アウディ Q5スポーツバック グレード一覧」 car.motor-fan.jp
- オートックワン「アウディ Q5 カタログ」 autoc-one.jp

