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ロードスターとはどんな車か 136馬力でも「楽しい」と言われる理由と、2026年改良の中身・買う前の割り切り

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ロードスターとはどんな車か 1,010kgの2人乗りオープン、2026年改良の中身と買う前の割り切り
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「ロードスターって、名前はよく聞くけど実際どんな車なの?」――屋根が開く2人乗りのスポーツカー、というところまでは知っていても、なぜこれほど長く愛されているのか、自分に合うのかは分かりにくいものです。マツダは2026年6月に商品改良を発表し、改良モデルは9月から販売されています。この記事では、ロードスターがどんな考え方で作られた車なのか、数字で見る特徴、2026年の改良で変わったこと、そして買う前に知っておきたい割り切りを整理します。

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ロードスターは「軽さを楽しむ」ための車

ロードスターは、マツダが1989年から作り続けている、2人乗りの小さなオープンカーです。今売られているのは2015年に登場した4代目(ND型)で、屋根が布製の「ロードスター(ソフトトップ)」と、屋根が電動で格納される硬い屋根の「ロードスターRF」の2種類があります。

この車のいちばんの特徴は、エンジンの力の強さではなく、車の軽さです。ソフトトップの基本グレード「S」の車両重量は1,010kg。今の普通車の多くが1トンを大きく超える中で、1トン前後に収まっています。

大きなパワーで速く走るための車ではなく、軽い車を自分の手足のように動かすことを楽しむための車。それがロードスターです。

マツダは、ロードスターを1989年の初代から一貫して「ライトウェイトスポーツ」として作ってきました。ロードスターは2000年に「2人乗り小型オープンスポーツカー」の生産累計世界一としてギネス世界記録に認定され、その後も記録を更新し続けています。マツダによると、4世代の累計生産台数は126万台以上です。

数字で見るロードスター

ソフトトップとRFの主な数字を並べます。

項目 ロードスター(ソフトトップ) ロードスターRF
屋根 布製の幌(手動で開閉) 硬い屋根(電動で格納)
エンジン 1.5Lガソリン 136PS/152N・m 2.0Lガソリン 184PS/205N・m
車両重量 1,010kg(S・6MT)〜 1,100〜1,130kg
全長×全幅×全高 3,915×1,735×1,235mm 3,915×1,735×1,245mm
WLTCモード燃費 16.8〜17.2km/L 15.2〜15.8km/L
乗車定員 2人 2人
価格(税込) 295万9,000円〜 385万円〜

※数値はマツダの発表と、自動車カタログ・報道で確認した2026年改良モデルのものです。グレードや変速機によって異なります。燃料は無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンです。

全長3,915mmは、軽自動車(3,400mm以下)より50cmほど長い程度。駆動方式は後輪で車を押す「FR」で、変速機は6速MT(マニュアル)と6速ATから選べます。

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「136馬力しかないのに、なぜ楽しいと言われるの?」

スペック表を見て、こう感じた人もいるかもしれません。

「スポーツカーなのに136馬力? RFの184馬力のほうが楽しいんじゃないの?」

馬力の数字だけを比べれば、その通りです。ただ、車の「楽しさ」を考えるときには、馬力をそのまま比べるより、「1馬力でどれだけの重さを動かしているか」を見るほうが実態に近くなります。

モデル 計算 1馬力あたりの重さ
ロードスター S(1.5L) 1,010kg÷136PS 約7.4kg
ロードスターRF(2.0L) 1,100kg÷184PS 約6.0kg

※編集部の単純計算です。RFは最も軽い1,100kgで計算しました。数字が小さいほど、同じ重さに対して力に余裕があることを意味します。

数字の上では、RFのほうが力に余裕があります。それでも、マツダがロードスターの基本に据えているのは、より軽いソフトトップの1.5Lです。なぜでしょうか。

理由の一つは、軽さが効くのは加速だけではない、という点です。車が軽ければ、曲がるときや止まるときにタイヤにかかる負担も小さくなり、ハンドルやブレーキの操作に対して、車が素直に反応しやすくなります。ロードスターの楽しさは、速さではなく、この「操作したとおりに車が動く感覚」にあると言われます。マツダはこれを、人と車が一体になる「人馬一体」という言葉で表してきました。

もう一つは、エンジンを使い切る感覚です。大きなパワーの車は、その力を出し切れる場面が日常にはほとんどありません。136馬力のエンジンなら、ふだんの道でもエンジンをよく回し、ギアを自分で選んで走る楽しさを味わいやすくなります。

ロードスターの楽しさは、馬力の大きさではなく、持っている力を自分の手で使い切れることから来ています。

もちろん、高速道路の合流や坂道で余裕がほしい人、2.0Lの力強さが好みの人には、RFが合います。どちらが上という話ではなく、「軽さを優先するか、力の余裕を優先するか」の違いです。

2026年の改良で何が変わった?

マツダは2026年6月26日に商品改良を発表し、同日に予約受付を始めました。発売は9月上旬からです。主な変更点は次のとおりです。

変更点 中身
特別仕様車「PS」を追加 Brembo製ブレーキ(対向4ピストン)、ビルシュタイン製ダンパー、RAYS製16インチアルミホイール(ブラック)、ガラス製リアウインドー付きのグレーの幌などを組み合わせた、走りを重視した仕様
MT車に新しい走行制御 「加速応答改善制御」「ヒール&トゥアシスト制御」、レブリミット(エンジン回転の上限)の直前まで出力を保つ制御を採用
新色 「ジンクグリーンメタリック」(10月生産開始の予定)
その他 静かなタイヤと専用チューニングのサスペンション、サイレンサー(消音器)の大型化と音質の調整、Apple CarPlay/Android Autoのタッチパネル操作

注目は、MT車の新しい制御です。「ヒール&トゥ」は、減速しながらギアを下げるときに、ブレーキを踏んだままエンジンの回転を合わせる運転の技術のことで、新しい制御はその操作を助けるものとして紹介されています。PSは、マツダがレース活動「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」で得た技術や知見を織り込んだモデルだと説明されています。

なお、ロードスターは2023年10月にも大きな改良を受けており、このときライト類のLED化、1.5Lエンジンの出力向上(3kWアップ)、MT車への新しいLSD(左右のタイヤの回転差を調整する装置)の採用、パワーステアリングの制御の改良などが行われました。4代目の登場から10年以上がたちますが、中身は少しずつ更新され続けています。

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グレードと価格

ソフトトップの主なグレードと価格(税込)は次のとおりです。

グレード 6MT 6AT
S 295万9,000円 ―
S Special Package 314万6,000円 326万7,000円
S Leather Package 355万3,000円 367万4,000円
S Leather Package V Selection 360万8,000円 372万9,000円
PS(特別仕様車) 366万3,000円 ―
RS 374万円 ―

※報道で確認できた主なグレードの抜粋です。マツダの発表では、ソフトトップは295万9,000円〜407万円、RFは385万円〜469万7,000円とされています。正確なラインアップと価格は、マツダの公式サイトで確認してください。

表から分かるのは、いちばん安い「S」と、走りの装備を重ねた「RS」が、どちらもMT専用だということです。ATを選べるのは、その間のグレードになります。最上位のRSは、ビルシュタイン製ダンパーやRECARO製シート、Boseのサウンドシステムなどを備え、Sとの価格差は78万1,000円です。

「S」は装備を絞ったグレードですが、その分だけ軽く、ロードスターの軽さをいちばん素直に味わえるグレードとも言えます。どこまで装備がほしいか、MTかATかで、選ぶグレードは自然に絞られていきます。

燃料代はどれくらい?

ロードスターはハイオク仕様です。レギュラーより1Lあたりの価格が高いため、その分を含めて燃料代を見ておきます。

1年に走る距離 使う燃料 ハイオクの燃料代 レギュラーだった場合との差
5,000km 約298L 約5万4,000円 約3,300円
10,000km 約595L 約10万8,000円 約6,500円

※仮定に基づく計算例です。燃費はソフトトップのWLTCモードの低いほうの値16.8km/L、ハイオクは1Lあたり181円(レギュラーの全国平均170円=2026年9月上旬の水準に、ハイオクとの一般的な価格差約11円を足した仮定)で計算しました。計算:5,000km÷16.8≒297.6L×181円≒53,869円(レギュラー170円なら50,595円、差3,274円)、10,000km÷16.8≒595.2L×181円≒107,738円(同101,190円、差6,548円)。実際の燃費は走り方や季節で、燃料価格は地域や時期で変わります。

ハイオク仕様であることによる差は、年1万km走っても月あたり500円ほどの計算です。気になるほどの差かどうかは人によりますが、燃費そのものは2人乗りのスポーツカーとしては控えめな数字に収まっています。

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買う前に知っておきたい割り切り

ロードスターは、何かを優先した分、何かを割り切った車です。合う・合わないは、ここで分かれます。

  • 2人しか乗れない:後ろの席はありません。家族で出かける車としては使えないため、多くの人にとっては「もう1台」や「1人・2人の暮らしの車」になります。
  • 荷物は少なめ:トランクの容量は、報道によるとソフトトップで約130L、RFで約127L。1泊2日の旅行の荷物なら2人分を工夫して積めますが、大きなスーツケースやまとめ買いには向きません。
  • 座る位置が低い:全高は約1.24m。乗り降りでは、ふつうの車より体を深くかがめる必要があります。
  • 幌の手入れ:ソフトトップの布の屋根は、硬い屋根より汚れや傷みに気を配る必要があります。屋根付きの駐車場があると安心しやすくなります。
  • 小回りは軽ほどではない:最小回転半径は4.7m(S)。車体は小さいものの、Uターンなどでは軽自動車ほど小さくは回れません。

どれも、ロードスターが「軽くて低い、2人乗りのオープンカー」であることの裏返しです。この割り切りを受け入れられるかどうかが、いちばん大事な判断ポイントになります。

あなたはどのタイプ?

初めてスポーツカーに乗りたい人、MTを楽しみたい人

いちばん素直にロードスターの良さを味わえるタイプです。136馬力の1.5Lは、扱いきれないほどの力ではないため、ギアを自分で選んで走る楽しさを日常の中で覚えやすい車です。2026年の改良でMT車に加わった制御も、こうした楽しみ方を後押しするものです。

オープンカーには乗りたいけど、MTは自信がない人

S Special Package以上のグレードには6速ATがあります。屋根を開けて走る気持ちよさは、ATでも変わりません。まずは「屋根が開く2人乗り」という暮らし方が自分に合うかを考えて、変速機はその後で選ぶ、という順番でもかまいません。

家族がいて、2台目として考えている人

家族の移動は別の車、ロードスターは自分の時間の車、という分担なら、2人乗りや荷物の少なさはあまり問題になりません。気にしたいのは、2台分の置き場所と維持費です。屋根付きの置き場所が用意できるかも、あわせて考えておくとよいでしょう。

RFとソフトトップで迷っている人

軽さと身軽さを優先するならソフトトップ、2.0Lの力の余裕や、硬い屋根による静かさ・安心感を優先するならRFです。価格はRFのほうが90万円ほど高くなります(最も安いグレード同士で385万円−295万9,000円=89万1,000円)。屋根を開けたときの開放感も、全部が開くソフトトップと、後ろの部分が残るRFで違うので、実車で見比べるのがおすすめです。

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速くなくても、楽しい車

ロードスターは、カタログの数字だけを見ると、目立つ車ではありません。馬力は控えめで、2人しか乗れず、荷物もあまり積めません。

それでも1989年から作り続けられ、120万台以上が世界中の道を走ってきたのは、数字には表れない楽しさがあるからです。軽い車を、自分の操作で思いどおりに動かす。屋根を開けて、季節の空気の中を走る。

速さではなく、運転そのものを楽しみたい人のための車。ロードスターは、今もその答えの一つであり続けています。

情報源

  • マツダ株式会社「マツダ、『マツダ ロードスター』を商品改良」(2026年6月26日) newsroom.mazda.com
  • TransCar「マツダ ロードスター 商品改良発表|新グレード『PS』追加・発売時期・価格まとめ」 transcarweb.com
  • くるまのニュース「マツダ『ロードスター』商品改良を発表 374万円の6速MT専用『RS』とは」(2026年7月9日) news.yahoo.co.jp
  • 価格.comマガジン「マツダがFRスポーツカー『ロードスター』の改良モデルを発表」 news.kakaku.com
  • モーターファン 自動車カタログ「マツダ ロードスター S(2026年9月)」 car.motor-fan.jp
  • Car Watch「大幅改良『ロードスター』初試乗、新型LSDやパワステ改良で走りはどう変わったか?」 car.watch.impress.co.jp
  • auto sport web「ロードスター/MX-5が累計生産90万台で再度ギネスに」 as-web.jp
  • Car Me「ギネスにも認定された国産スポーツカー!マツダ ロードスターとは?」 car-me.jp
  • Car Me「マツダ ロードスター(ND)の内装と荷室を徹底解説」 car-me.jp
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