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「逆輸入車」が9か月で去年の過去最高を超えた|輸入車の4割は日本メーカー車、外国ブランドは2.3%減

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逆輸入車が9か月で去年の過去最高を超えた 輸入車の4割は日本メーカー車
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「輸入車の登録が増えている」というニュースを見て、ベンツやBMWが売れていると思った人も多いかもしれません。ところが中身を分けてみると、伸びているのは日本のメーカーが海外の工場で作り、日本へ運んでくる車、いわゆる「逆輸入車」です。日本自動車輸入組合(JAIA)が10月6日に発表した統計では、2026年1〜9月に登録された日本メーカー車(海外生産)は11万5,477台。過去最高だった2025年の1年分を、9か月で上回りました。この記事では、何が増えて何が減ったのか、どの車が日本に入ってきているのかを、JAIAの数字をもとに整理します。

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1〜9月の数字:輸入車の約4割が日本メーカー車

まず、JAIAの「2026年9月度輸入車新規登録台数(速報)」から、1月からの累計を並べます。

区分 2026年1〜9月 前年同期 前年比
外国メーカー車 179,266台 183,426台 97.7%(2.3%減)
日本メーカー車(海外生産) 115,477台 80,485台 143.5%(43.5%増)
輸入車総計 294,743台 263,911台 111.7%(11.7%増)

※JAIA「2026年9月度輸入車新規登録台数(速報)」(2026年10月6日)。乗用車・貨物車・バスの合計。

輸入車総計に占める日本メーカー車の割合は、1〜9月で約39.2%。2024年の1年間は約29.2%、2025年は約31.4%だったので、2年で約10ポイント上がったことになります(いずれもJAIAの12月度速報の年間累計から計算)。

期間 日本メーカー車(海外生産) 輸入車総計に占める割合
2024年(1年間) 93,587台 約29.2%
2025年(1年間) 111,513台 約31.4%
2026年(1〜9月) 115,477台 約39.2%

※割合は編集部の計算(日本メーカー車÷輸入車総計)。2024年・2025年はJAIA「2025年12月度輸入車新規登録台数(速報)」(2026年1月8日)の累計から。

2025年の11万1,513台は、それ自体が記録的な数字でした。マイナビニュースの連載(佃義夫氏、2025年12月)によると、海外生産の日本車の輸入販売は、それまで1995年の年間10万7,092台が最高で、2025年は30年ぶりにそれを上回る見通しとされていました。

その「30年ぶりの最高」だった去年の1年分を、今年はまだ3か月を残した9月までで超えています。

1〜9月は273日なので、1日あたりにすると約423台。毎日400台あまりの「海外で作られた日本車」が、新しくナンバーを付けて走り出している計算です。

「輸入車が増えた」のに、外国ブランドは減っている

ここで、ニュースの見出しと実感が食い違う理由が見えてきます。

「輸入車が1割以上増えたなら、外国の車も売れているのでは?」

答えは、増えた分は、すべて日本メーカー車が生み出したものです。1〜9月の増減を分けると、こうなります。

区分 前年同期からの増減
日本メーカー車(海外生産) +34,992台
外国メーカー車 −4,160台
輸入車総計 +30,832台

※JAIAの1〜9月累計から編集部が計算(115,477−80,485=34,992、179,266−183,426=−4,160、294,743−263,911=30,832)。

日本メーカー車の増加(約3万5,000台)は、輸入車全体の増加(約3万1,000台)よりも大きい。つまり、日本メーカー車は輸入車全体の伸びを生み出しただけでなく、外国メーカー車の減少分(約4,000台)まで埋めています。

この「輸入車の数字に日本メーカー車が含まれている」点は、JAIAの統計の特徴です。JAIAの発表文でも、まず外国メーカー車の数字を示し、そのあとに「なお、日本メーカー車を含めた輸入車新規登録台数の合計は」と、分けて書かれています。見出しで「輸入車○%増」と見たときは、どちらの数字なのかを確かめると、受け取る印象がかなり変わります。

なお、年度で区切った上半期(4〜9月)でも傾向は同じです。レスポンスの報道によると、4〜9月の輸入車総計は19万9,200台(14.6%増)で、外国メーカー車は12万1,346台(0.7%増)とほぼ横ばい、日本メーカー車は7万7,854台(45.8%増)。総計の増加2万5,354台のうち、日本メーカー車の増加が2万4,466台を占めました。

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ブランド別:上位10社のうち3社が日本メーカー

順位 ブランド 2026年1〜9月 前年比
1 スズキ 50,307台 176.4%
2 メルセデス・ベンツ 36,267台 94.6%
3 トヨタ 34,519台 721.1%
4 BMW 21,960台 82.0%
5 ホンダ 21,735台 71.2%
6 フォルクスワーゲン 20,793台 86.1%
7 アウディ 15,912台 90.9%
8 BMW MINI 13,114台 91.0%
9 ボルボ 8,858台 103.6%
10 ポルシェ 7,297台 93.6%

※JAIA「車名別輸入車新規登録台数(乗用車、貨物、バス合計)」2026年9月分の1月からの累計。順位は累計台数の順。

1位はスズキで、2位のメルセデス・ベンツに1万4,000台あまりの差をつけています。スズキの2025年の1年間の台数は4万3,266台で、これも9か月で上回りました。トヨタは前年同期の4,787台から3万4,519台へ、約7.2倍。上位10社のうち、外国メーカーで前年を上回ったのはボルボだけでした。

9月の1か月だけで見ると、スズキが7,171台、トヨタが6,598台、メルセデス・ベンツが5,983台。単月では、日本メーカー2社が輸入車のトップ2に並びました。

どんな車が入ってきているのか

JAIAの統計はメーカー別の数字で、車名ごとの台数は公表されていません。そのため「どの車が何台」とまでは言えませんが、各社の発表や報道から、日本で売られている主な海外生産車は次のとおりです。

メーカー 車名 生産国 日本での発売
スズキ フロンクス インド 2024年10月
ジムニー ノマド インド 2025年4月
eビターラ インド 2026年1月
トヨタ タンドラ/ハイランダー 米国(テキサス州/インディアナ州) 2026年4月(まず東京で)
ランドクルーザー FJ タイ 2026年5月
ハイラックス(9代目) タイ 2026年5月
ホンダ WR-V インド 2024年3月(輸入開始)

※トヨタのタンドラ・ハイランダーはトヨタのニュースリリース(2026年4月2日)、ランドクルーザーFJは日刊工業新聞(ニュースイッチ)・webCG、ハイラックスはCar Watch・くるまのニュース、スズキ・ホンダの各車はマイナビニュース・ベストカーWeb・各報道による。

トヨタの伸びは、数字の分かれ方にも表れています。JAIAの表では、トヨタの1〜9月は乗用車が1万6,889台(前年同期837台)、貨物車が1万7,630台(同3,950台)。荷台のあるピックアップトラックのハイラックスは、日本では貨物車として登録されます。5月に9代目へ切り替わったハイラックスと、同じタイのバンポー工場で作られるランドクルーザーFJが、そろって数字を押し上げた形です。

スズキは、インドの子会社マルチ・スズキで作る車が中心です。ジムニー ノマドは2025年1月30日の発表からわずか4日で約5万台の注文が入り、受注を一時停止。2026年1月に、抽選方式で受付を再開したと報じられています。

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なぜ、海外で作った車を日本で売るのか

報道で挙げられている背景は、大きく3つです。

  • アジアの工場の品質とコスト:日本経済新聞は、生産コストの低いアジアの拠点の品質が、日本に劣らないほど上がっていることを要因に挙げています。
  • インドの存在感:マイナビニュースの連載は、世界3位の自動車大国になったインドからの輸入増加を背景に挙げ、2025年1〜11月のスズキのインド生産車の輸入は約3万9,000台で、前年同期の9倍になったとしています。
  • 米国生産車の新しい認定制度:2026年2月16日に、米国で作られ米国の安全基準に適合した車を、日本で追加の試験をせずに販売できる制度が始まりました。トヨタのタンドラとハイランダーは、この制度を使って導入されています。日米の貿易をめぐる交渉が背景にあると報じられています。

もうひとつ、作る側の事情もあります。日本向けだけのために国内の工場で専用の車を作るより、海外の工場で現地や他の国向けに作っている車を、日本仕様に整えて持ってくるほうが、車種を増やしやすい。ハイラックスやランドクルーザーFJのように、日本ではそれほど多く売れなくても世界では大量に作られている車は、その代表です。

日本メーカーでも、減っているところがある

日本メーカー車がそろって伸びているわけではありません。JAIAの1〜9月累計を見ると、前年を下回ったメーカーもあります。

メーカー 2026年1〜9月 前年同期 前年比
ホンダ 21,735台 30,522台 71.2%
マツダ 4,369台 6,537台 66.8%
日産 2,689台 7,848台 34.3%
三菱 1,437台 2,205台 65.2%

※JAIA「車名別輸入車新規登録台数」2026年9月分の累計。乗用車・貨物車の合計。

海外から持ってくる車は、メーカーごとに数車種しかありません。そのため、1台の車がモデル末期に入ったり、新型が入ってきたりするだけで、前年比が大きく動きます。「日本メーカー車が増えている」は全体の話で、実際にはスズキとトヨタの2社が大きく伸びた結果だと見るほうが正確です。

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新車全体の中では、どれくらい?

伸びているとはいえ、新車全体から見るとまだ一部です。2026年度上半期(4〜9月)の国内の新車販売は、登録車と軽を合わせて229万2,064台(新車販売、2026年4〜9月は5%増の229万台)。同じ期間の日本メーカー車(海外生産)は7万7,854台なので、ざっくり比べると約3.4%、新車のおよそ30台に1台です。外国メーカー車(12万1,346台)は約5.3%で、約19台に1台にあたります。

※割合は編集部の計算例(77,854÷2,292,064≒3.4%、121,346÷2,292,064≒5.3%)。集計の対象や発表元が異なる統計を並べた目安です。

30台に1台というと少なく聞こえますが、トヨタやスズキの販売店で新車を選ぶとき、候補の中に「海外の工場で作られた車」が入っている可能性は、数年前よりはっきり高くなっています。

この流れ、車を選ぶ側にはどう関係する?

フロンクスやランクルFJなどを検討している人

販売や点検は、基本的にそれぞれのメーカーの国内の販売店が扱います(タンドラ・ハイランダーのように、まず地域を限って売り出された車もあります)。一方で、海外の工場で作って船で運ぶ車は、現地の生産や輸送の都合、注文の集中で、納期が読みにくくなることがあります。ジムニー ノマドの受注停止はその例です。気になる車があれば、販売店で「今注文するといつごろになりそうか」を早めに確かめておくと安心です。

「輸入車」と聞いて身構えてしまう人

統計上は輸入車でも、メーカーは日本の会社で、日本向けの仕様に整えて売られている車です。生産国を気にする人もいますが、選ぶ基準は「どこの国で作られたか」だけではなく、広さや装備、価格、そして買ったあとに頼れる販売店があるかどうか。ほかの車と同じ物差しで比べてみると、候補が広がります。

外国ブランドの車を考えている人

外国メーカー車は1〜9月で2.3%減と、伸び悩んでいます。AUTOCAR JAPANによると、JAIAの関係者は、欧州ブランドを中心に円安などによる厳しい事業環境が続くと見ており、各社がハイブリッドやプラグインハイブリッド、補助金の出るEV、特別仕様車などで巻き返しを図るとみられています。新しく入ってきた車の例は、ジープ新型コンパスの記事でも紹介しています。

ニュースの数字を読む人

「輸入車○%増」「輸入車ブランド1位」といった見出しを見たら、日本メーカー車を含んだ数字かどうかを確かめるのがおすすめです。外国メーカー車だけで見るのか、日本メーカー車も含めるのかで、同じ月の同じ統計でも、増えたのか減ったのかが逆になることがあります。

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これから:カムリと、ほかのメーカーの動き

トヨタは2025年12月に、米国で生産するカムリ・ハイランダー・タンドラを2026年から順次日本に導入すると発表しています。このうちカムリについては、2026年4月のリリースで「準備が整い次第、販売を開始する予定」とされており、10月10日時点で日本での価格や発売日は発表されていません。

AUTOCAR JAPANによると、JAIAの関係者は、スズキやトヨタのほかにも日産、ホンダ、三菱が海外生産車の日本導入の拡大を模索しており、日本メーカー車の伸びは今後も続くと見ています。どの車が来るかは各社の正式発表を待つ必要がありますが、「日本のメーカーの新型車が、海外の工場から届く」場面は、これからさらに増えていきそうです。

これからの車選びでは、「どこの国の車か」より、「どのメーカーの、どんな車か」が問われる時代になっていきます。

情報源

  • 日本自動車輸入組合(JAIA)「2026年9月度輸入車新規登録台数(速報)」(2026年10月6日) jaia-jp.org
  • 日本自動車輸入組合(JAIA)「2025年12月度輸入車新規登録台数(速報)」(2026年1月8日) jaia-jp.org
  • レスポンス「輸入車14.6%増、日系メーカーがけん引 輸入車新規登録台数4~9月」(2026年10月7日) response.jp
  • AUTOCAR JAPAN「2026年上半期の輸入車市場ランキング」 autocar.jp
  • マイナビニュース「自動車業界 ニュースの見方(27) “逆輸入車”の販売が日本市場で30年ぶりに過去最高となる理由」(佃義夫、2025年12月17日) news.mynavi.jp
  • 日本経済新聞「逆輸入車販売30年ぶり最高 1〜6月はジムニーノマドけん引、トヨタ13倍」 nikkei.com
  • トヨタ自動車「米国生産のタンドラ、ハイランダーを発売」(2026年4月2日) global.toyota
  • ニュースイッチ(日刊工業新聞)ランドクルーザーFJ発売の記事(2026年5月26日) newswitch.jp
  • Car Watch「トヨタ、新型『ハイラックス』発売」(2026年5月28日) car.watch.impress.co.jp
  • ベストカーWeb「実は新型[ジムニーノマド]はバリバリの輸入車だって知ってた?」(2025年2月3日) bestcarweb.jp
  • くるまのニュース(ジムニー ノマドの受注停止と受付再開に関する報道) kuruma-news.jp
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