
「ルノー5がついに日本に来るらしい。で、いくらなの?」——ルノー・ジャポンは2026年10月22日、電気自動車(EV)の新型「ルノー5(サンク)」を11月19日に発売すると発表しました。ルノーのブランドとして、日本に正規に入るEVはこれが初めてです。ただし、価格やグレードはまだ発表されておらず、発売日の11月19日に明らかになる予定です。この記事では、いま公式に決まっている日本仕様の中身と、まだ決まっていないことを分けたうえで、日本で買える近い大きさのEVと並べて、待っている間に確かめておきたいことを整理します。
日本仕様で決まっていること
ルノー・ジャポンのプレスリリース(10月22日)と、レスポンス、AUTOCAR JAPAN、Motor-Fanなどの報道で確認できた内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表・発売 | 2026年10月22日発表、11月19日(木)発売 |
| 位置づけ | 100%電気自動車。ルノーのブランドとして日本に初めて正規導入するEV |
| 大きさ | 全長3,935mm×全幅1,775mm×全高1,535mm、5人乗り |
| モーター | 最高出力150PS、最大トルク245N・m |
| 電池・航続距離 | 電池容量52kWh、一充電走行距離405km(レスポンスなどはWLTCモードの値と報道) |
| 足回り・タイヤ | EV専用のプラットフォーム、後ろはマルチリンク式サスペンション、18インチのアルミホイール |
| 画面・機能 | 10インチのデジタルメーター、10インチの「openR link」(Googleのサービスを搭載。音声操作、充電スポットを考えたルート案内など) |
| 生産国 | フランス |
※Motor-Fanの諸元表では最大トルクが240N・mとなっていますが、同じ記事の本文やプレスリリース、ほかの報道は245N・mで一致しているため、245N・mとしています。
初代のルノー5は1972年にフランスで生まれた小型車です。新型はその見た目を受け継いだEVとして欧州で先に発売され、兄弟車のアルピーヌ A290とともに「2025年欧州カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれています。
日本に届くのは、電池の大きいほうの仕様、1種類だけです。
欧州では、電池が40kWhの安い仕様と、52kWhの仕様が売られています。今回の発表で日本仕様として示されたのは、52kWh・150PSの組み合わせだけです。
まだ決まっていないこと
発表資料には、購入を考える人にとって大事な項目がいくつも書かれていません。ルノー・ジャポンは「詳細は11月19日に発表する」としています。
- 価格:未発表。グレード構成も未発表
- ボディーカラー:未発表
- 急速充電の規格と速さ:未発表。日本の急速充電器はCHAdeMO(チャデモ)という規格が主流で、欧州のCCS2とは差し込み口の形が違います。日本で売られる海外ブランドのEVも、多くはCHAdeMOに対応させていますが、ルノー5の日本仕様がどうなるかは、まだ書かれていません
- 国の補助金の額:未発表。補助金の額は車種ごとに決まるため、発売後に公表されるのを待つ必要があります
- 車両重量・ハンドルの位置:今回の資料には記載なし
欧州仕様では、52kWhの車の急速充電の最大出力は100kW前後、普通充電は11kWとされています(EV Databaseなど)。ただ、これは欧州の規格での数字です。日本の充電器でどれだけの速さで充電できるかは、日本仕様の発表を見るまで分かりません。
日本で買える近い大きさのEVと並べると
同じくらいの大きさで、すでに日本で売られている輸入EVを2台選んで並べました。
| 項目 | ルノー5 | BYD ドルフィン(ベースライン/ロングレンジ) | ヒョンデ インスター(Voyage) |
|---|---|---|---|
| 全長 | 3,935mm | 4,290mm | 3,830mm |
| 全幅 | 1,775mm | 1,770mm | 1,610mm |
| 全高 | 1,535mm | 1,550mm | 1,615mm |
| 電池容量 | 52kWh | 44.9kWh/58.56kWh | 49kWh |
| 航続距離 | 405km | 415km/476km | 477km |
| モーターの最高出力 | 150PS(110kW) | 70kW/150kW | 85kW |
| 価格(税込み) | 11月19日に発表 | 299万2,000円/374万4,000円 | 335万5,000円(いちばん安いCasualは284万9,000円) |
※ドルフィンは2026年2月の改良後の価格と航続距離(Car Watch)、寸法・電池容量・出力は発売時からの公表値(各報道)。インスターはヒョンデ公式サイトの価格と、Voyageグレードの電池容量・航続距離(WLTC)・出力。航続距離は条件によって変わります。
全長で見ると、ルノー5はドルフィンより約36cm短く、インスターより約10cm長い車です。一方で全幅は1,775mmで、ドルフィンとほぼ同じです。長さはコンパクトカー、幅は一回り大きい車、というのがルノー5の大きさの特徴です。
※計算例:4,290−3,935=355mm、3,935−3,830=105mm、1,775−1,770=5mm。
電池はドルフィンより大きいのに、航続距離は短い
「52kWhも積んでいるなら、ドルフィンのベースラインより遠くまで走れるのでは?」
表を見ると、そうはなっていません。ルノー5の電池はドルフィンのベースラインより約7kWh大きいのに、航続距離は10km短くなっています。電池1kWhあたりで何km走れるかに直すと、差がはっきりします。
| 車 | 電池容量 | 航続距離 | 1kWhあたりの距離 |
|---|---|---|---|
| ヒョンデ インスター(Voyage) | 49kWh | 477km | 約9.7km |
| BYD ドルフィン(ベースライン) | 44.9kWh | 415km | 約9.2km |
| BYD ドルフィン(ロングレンジ) | 58.56kWh | 476km | 約8.1km |
| ルノー5 | 52kWh | 405km | 約7.8km |
※計算例:477÷49≒9.7、415÷44.9≒9.2、476÷58.56≒8.1、405÷52≒7.8(公表値どうしを割った単純計算)。メーカーや測り方の条件がそろっているとは限らないため、目安として見てください。
ルノー5は、4台の中でいちばん「1kWhあたりの距離」が短い車です。メーカーはこの理由を説明していませんが、表から読み取れる違いはあります。ルノー5のモーターは110kW(150PS)で、ドルフィンのベースライン(70kW)やインスター(85kW)より力が強く、タイヤも18インチと大きめです。同じように力の強いドルフィンのロングレンジ(150kW)も、1kWhあたりの距離は約8.1kmに下がっています。
ルノー5は「電気を節約して遠くまで行く車」ではなく、「小さな車体に力のあるモーターを積んだ車」です。
405kmという数字そのものは、日常の使い方には十分な場合が多いはずです。1日30km走る人なら、単純計算で13日ほどもつ距離です。ただし、EVは暖房を使う冬や高速道路では航続距離が短くなりやすく、実際に走れる距離は使い方と季節で変わります。
※計算例:405÷30≒13.5日。満充電から使い切るまでの単純計算で、実際は残量に余裕を持って充電するのが一般的です。
全高1,535mmは、立体駐車場で効いてくる
数字の中で、日本の暮らしに直接関わりそうなのが全高です。マンションや街なかの機械式・立体駐車場には、高さ1,550mmまでの車しか入れないところが多くあります。ドルフィンが日本向けに全高を1,550mmに抑えたことが話題になったのも、このためでした。
ルノー5の全高は1,535mmで、その線より1.5cm低い数字です。インスターは1,615mmなので、高さ1,550mmまでの駐車場には入りません。
ただし、立体駐車場の条件は高さだけではありません。幅や長さ、車両の重さ、タイヤの幅などにも上限があり、EVは電池のぶん同じ大きさのガソリン車より重くなりがちです。ルノー5の日本仕様の車両重量はまだ発表されていないので、自宅や職場の駐車場に入るかどうかは、11月19日の発表で重量を確かめてから、駐車場の管理会社に条件を聞くのが確実です。
価格の手がかりは欧州価格。ただし、そのまま円にはできない
日本の価格はまだ分かりませんが、欧州ではすでに売られています。EV Databaseによると、日本仕様と同じ52kWh・150PSの仕様は、ドイツでの希望小売価格が3万2,900ユーロです。
この数字を為替レートで円に直したくなりますが、それで日本の価格を予想するのはおすすめしません。欧州の価格には現地の付加価値税が含まれ、日本の価格には輸送費や、日本向けにどの装備を標準にするかといった要素が加わります。為替レートも日々動くため、換算した数字が独り歩きしやすくなります。
この記事では、予想価格は出しません。確かなのは、11月19日に正式な価格が出るまで、どの車と比べるべきかは決められないということです。300万円前後ならドルフィンやインスターと、400万円を超えるならもう一つ上の価格帯のEVと比べることになります。
補助金は、登録が年内か年明けかで変わる可能性がある
EVを買うときに大きいのが、国のCEV補助金です。経済産業省は10月21日、2027年1月1日以降に新しく登録する車から、補助金の額を引き下げると発表しました。EVの上限は、いまの125万円から75万円になります(詳しくはEVの補助金の見直しの記事で整理しています)。
ルノー5は11月19日の発売なので、年内に登録が間に合うかどうかで、受け取れる補助金が変わる可能性があります。ただし、ルノー5がいくらの補助金の対象になるのかは、まだ公表されていません。発売日に価格を聞くときは、あわせて「補助金の額」と「年内に登録できる時期の車があるか」を販売店に確かめておくと、比べるときの数字がそろいます。
あなたの場合はどう考える?
見た目にひかれて、ルノー5に乗りたい
日本に入るのは52kWh・150PSの1仕様なので、「どの電池を選ぶか」で迷うことはありません。決めるのは価格とボディーカラーが出てからです。11月19日の発表を待ち、試乗車が販売店に用意されたら、ハンドルの位置や後ろの席・荷室の広さを実車で確かめるのが確実です。
初めてのEVで、価格しだいで考えたい
比べる相手は、価格によって変わります。発表された価格から補助金を引いた金額で、ドルフィンやインスターと並べてみてください。そのとき、急速充電の規格(CHAdeMOに対応しているか)も必ず確かめておきたい点です。外出先の充電器が使えるかどうかは、毎日の使い勝手に直結します。
マンションの立体駐車場に停めたい
全高1,535mmは、高さ1,550mmまでの駐車場に入る数字です。ただし、重さや幅の条件は別なので、車両重量の発表を待ってから駐車場の条件と照らし合わせてください。家で充電できない場合の充電の考え方は、自宅と外出先の充電代の記事も参考になります。
補助金が下がる前に買いたい
発売から年末までは約6週間です。補助金の額、登録できる時期、補助金の予算が年内に終わらないかを、発売日に販売店へまとめて確認するのがいちばん早い方法です。間に合わない場合でも、補助金の差と、ほかの車の納期を比べて決めることができます。
11月19日までに、聞くことを決めておく
いま分かっているのは、日本に来るルノー5が「短くて幅のある車体に、52kWhの電池と力のあるモーターを積んだ1仕様」だということです。価格、充電の規格、補助金、重さは、すべて11月19日に出てくる数字です。発表の日に慌てないよう、自分にとって大事な項目——駐車場に入るか、外の充電器が使えるか、補助金を引いていくらか——を、今のうちに書き出しておくのがいちばんの準備です。
ルノー・ジャポンが今年発売したほかの車については、キャプチャーのハイブリッドの記事で整理しています。
情報源
- ルノー・ジャポン「電動化時代の新たなアイコン ルノー 5(サンク)11月19日(木)に発売」(2026年10月22日) prtimes.jp
- レスポンス「日本初のルノーEV、『5』導入…航続405km、150psモーター 11月19日発売」 response.jp
- AUTOCAR JAPAN「EVになった新型『ルノー5 Eテック・エレクトリック』が日本導入決定!」 autocar.jp
- Motor-Fan「電気自動車として復活した『ルノー5』が11月19日に日本デビュー!」 motor-fan.jp
- LE VOLANT WEB「ルノー初の日本導入EV、新型『ルノー 5(サンク)』が11月19日発売」 levolant.jp
- EV Database「Renault 5 E-Tech 52kWh 150hp」 ev-database.org
- Car of the Year「Edition 2025」 caroftheyear.org
- Car Watch「BYD、『ドルフィン』アップデートで…価格299万2000円から」(2026年2月10日) car.watch.impress.co.jp
- 乗りものニュース「『立体駐車場に入るEV』がやっと登場! 中国BYDの新型コンパクトEV『ドルフィン』発売」 trafficnews.jp
- ヒョンデ「INSTER」 hyundai.com
- EV充電エネチェンジ「EVの充電規格」 ev-charge-enechange.jp

