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車を乗り換えたら自動車保険の等級はどうなる? 引き継げる条件と、6等級に戻ってしまうケース

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車を乗り換えたら保険の等級はどうなる? 1から20まで並んだ等級のイメージ
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車を買い替えるとき、見積もりや納車日の調整に気を取られて、自動車保険のことは後回しになりがちです。けれど、長年無事故で積み上げてきた「等級」は、手続きの仕方しだいで新しい車にそのまま持っていくこともできれば、6等級からのやり直しになってしまうこともあります。買い替え、売却して当面乗らない、2台目を増やす、家族の車を引き継ぐ――よくある乗り換えのパターンごとに、等級がどうなるのか、何に気をつければいいのかを、損害保険各社の説明をもとに整理します。

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まず、自分のケースはどれ?

乗り換えといっても、状況によって使う仕組みが違います。最初に全体をまとめておきます。

こんなとき 等級はどうなる? 使う仕組み
古い車を手放して、新しい車に買い替える 条件を満たせば、そのまま引き継げる 車両入替
車を売って、しばらく車に乗らない 7等級以上なら、最長10年保存できる 中断証明書
今の車を残したまま、2台目を買う 今の等級は2台目には移らない(2台目は新規) セカンドカー割引(条件あり)
家族の車を引き継ぐ・家族に譲る 配偶者・同居の親族なら引き継げる 記名被保険者の変更
乗り換えにあわせて保険会社も変える 空白が7日以内なら引き継げる 他社への切り替え

※細かな条件や手続きの方法は保険会社によって異なります。必ず契約している保険会社に確認してください。

どのケースにも共通しているのは、次の一点です。

等級は「車」についているのではなく、「契約」と「人」についている。だから車が変わっても持っていけるが、手続きをしないと置いていくことになる。

等級がリセットされると、いくら違う?

そもそも、等級を引き継げるかどうかで、どれくらい保険料が変わるのでしょうか。

自動車保険の「ノンフリート等級」は1〜20等級の20段階で、新しく保険に入るときはふつう6等級から始まります。1年間保険を使う事故がなければ翌年は1等級上がり、事故で保険を使うと、事故の内容によって3等級または1等級下がります。そして等級ごとに、保険料の割引率・割増率が決まっています。

ここでは、割引・割増を適用する前の保険料を仮に年10万円として、等級ごとの保険料を計算してみます。

等級 割引率(無事故) 年間保険料の計算例 割引率(事故有)
6等級 13% 87,000円 -
7等級 27% 73,000円 14%(86,000円)
10等級 46% 54,000円 19%(81,000円)
11等級 48% 52,000円 20%(80,000円)
15等級 53% 47,000円 28%(72,000円)
20等級 63% 37,000円 51%(49,000円)

※割引率は、損害保険料率算出機構の参考純率をもとにした数値(損保ジャパンの解説ページ、GAZOO掲載記事より)。実際の割引率は保険会社によって異なることがあり、新規契約の6等級・7等級は扱いが異なる場合があります。保険料は、運転者の年齢条件、車の型式、補償内容などでも大きく変わるため、表の金額は「割引前を年10万円」とした仮定に基づく計算例です。

この計算例では、20等級の人が6等級からやり直すと、年間の保険料が37,000円から87,000円へ、5万円上がります。月あたりに直すと約4,200円。しかも、無事故で1年に1等級ずつ上がっていっても、6等級から20等級に戻るまでには14年かかります。

新車に乗り換える人は、たいてい長く運転してきて等級も高くなっている人です。つまり、手続きを一つ間違えたときに失うものが一番大きいのは、まさに「乗り換えるタイミングの人」ということになります。

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買い替えるなら「車両入替」

古い車を手放して新しい車に乗り換えるときは、今の保険の契約はそのままに、補償の対象となる車だけを差し替える「車両入替」という手続きをします。これなら等級も、事故有係数が適用されている期間も、そのまま新しい車に引き継がれます。

引き継げる条件

損保ジャパンの説明では、車両入替ができるのは、次の二つを満たす場合です。

  • 新しい車の持ち主が、入替前の車の持ち主、入替前の契約の記名被保険者(主に運転する人)、その配偶者、記名被保険者または配偶者の同居の親族のいずれかであること
  • 新しい車が「自家用8車種」であること(自家用の普通乗用車・小型乗用車・軽四輪乗用車・軽四輪貨物車・小型貨物車、最大積載量2トン以下の自家用普通貨物車、キャンピング車)

普通車から軽自動車へ、軽自動車からミニバンへ、といった乗り換えも、この8車種の中であれば引き継げます。一方、バイクの保険の等級を自動車の保険に引き継ぐことはできません。

手続きは納車日までに。遅れても30日以内

手続きは、新しい車の納車日までに済ませておくのが基本です。損保ジャパンでは、変更したい日の30日前から手続きができるとしています。

うっかり忘れてしまった場合のために、多くの保険会社には、新しい車を手に入れた日の翌日から30日以内に入替の手続きをすれば、その間の事故も前の車の契約内容で補償する、という仕組みがあります。ただし、前の契約に車両保険を付けていなかった場合など、補償の範囲は契約内容によって変わります。あくまで「うっかり」のための保険と考え、納車日に間に合わせるのが安心です。

手続きでは、新しい車の登録番号や車台番号、型式、初度登録年月、納車日などが必要になります。新しい車の登録書類が手元に届いたら、すぐ連絡できるようにしておくとスムーズです。

等級は同じなのに、保険料が変わるのはなぜ?

「等級をちゃんと引き継いだのに、保険料が上がった」という声もよく聞かれます。これは、保険料を決めているのが等級だけではないからです。

その一つが、車の型式ごとに決まっている「型式別料率クラス」です。事故の起きやすさや、事故が起きたときの損害の大きさを型式ごとにランク分けしたもので、損保ジャパンの説明によると、普通・小型乗用車は1〜17の17段階、軽乗用車は1〜7の7段階に分かれ、毎年1月1日に見直されています。同じ説明では、クラスが1つ上がると保険料はおよそ1.1倍になるとしています。

さらに、車両保険を付けている場合は、新しい車の価格に合わせて保険金額も変わります。古い車から新車に乗り換えれば、車両保険の金額が大きくなり、そのぶん保険料も上がりやすくなります。

等級を引き継ぐことは「割引を持っていく」ことであって、「保険料を据え置く」ことではありません。新しい車の保険料は、入替の手続きをするときに見積もりで確認しておきましょう。

売ってしばらく乗らないなら「中断証明書」

車を売ったり手放したりして、すぐには次の車を買わない場合もあります。転勤や留学、あるいは「しばらく車なしで暮らしてみる」という選択もあるでしょう。

このとき、何もせずに保険を解約してしまうと、積み上げた等級は使えなくなり、何年か後に車を買ったときは6等級からのスタートです。それを防ぐのが「中断証明書」です。損保ジャパンの説明では、主な条件は次のとおりです。

項目 内容
発行できる理由 車を廃車・譲渡・売却した、リース会社に返した、ナンバープレートを返納した など(記名被保険者の海外渡航による中断もある)
等級の条件 中断する契約の、再開後の等級が7等級以上であること
申請の期限 解約日または満期日から13か月以内
有効期間 中断日の翌日から10年間
再開するときの条件 新しい車が前の契約と同じ用途車種であること、新しい車を新しい保険の開始日から1年以内に取得していること など

※損保ジャパンの契約者向けページ(中断証明書)より。条件は保険会社によって異なる場合があります。

中断証明書は、再開するときに別の保険会社を選んでも使えます。「もう車には乗らないかもしれない」と思っていても、手放すときに一度発行を検討しておく価値はあります。10年後に「やっぱり車が必要になった」とき、その1枚が数万円の差になるかもしれません。

一つ注意したいのが、等級の条件です。「今7等級だから大丈夫」と思っていても、解約の直前に3等級下がる事故で保険を使っていれば、次の契約は4等級になり、中断証明書は発行できません。条件は「今の等級」ではなく、「再開したときの等級」で見ます。

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2台目を買うなら、等級は移らない

今の車を残したまま、もう1台増やす場合はどうでしょうか。この場合、1台目の等級は1台目の車の契約に残ったままで、2台目に移すことはできません。2台目は新しい契約になるので、ふつうは6等級からのスタートです。

ただし、条件を満たせば2台目を7等級から始められる「セカンドカー割引」(複数所有新規)という仕組みがあります。主な条件は次のとおりです。

  • 2台目の保険が始まる日の時点で、1台目の契約が11等級以上であること
  • 1台目・2台目とも自家用8車種で、持ち主が個人であること
  • 2台目の持ち主が、1台目の記名被保険者本人や配偶者などであること(細かな範囲は保険会社によって異なる)

上の計算例でいえば、6等級スタート(87,000円)と7等級スタート(73,000円)で、1年目から14,000円の差です。2台目を買うときは、自分から「セカンドカー割引は使えますか」と確認してみてください。

「新しい車を先に買って、古い車はあとで売る」ときは

乗り換えでは、新しい車の納車と古い車の売却のタイミングがずれることもあります。数週間だけ2台を持つことになる場合、どちらの車にどの契約を付けるかで、等級の扱いが変わってきます。高い等級を新しい車に移したいなら、新しい車に車両入替をして、古い車は売却までの間どう補償するのかを保険会社に相談するのが確実です。自己判断で古い車の保険だけ先に解約したり、新しい車に新規で保険を付けたりすると、高い等級を使えないまま新しい車に乗ることになりかねません。

家族の車を引き継ぐ・家族に譲るなら

親の車を子どもが引き継ぐ、夫婦で車を一台にまとめる、といった「家族の中での乗り換え」もあります。このとき、等級は記名被保険者(その車を主に運転する人)を変更する形で、家族に引き継ぐことができます。

引き継げる相手は、今の記名被保険者の配偶者、記名被保険者の同居の親族、配偶者の同居の親族です。損保ジャパンの説明では、別居している親族には引き継げない一方、配偶者だけは別居していても引き継げるとしています。

この仕組みは、次のような場面で検討されることがあります。

  • 高齢の親が運転をやめるとき、同居している子どもが親の高い等級を引き継ぐ
  • 親がこれから新しい車を買い、同居の子が親の今の車と等級を引き継ぐ(親の新しい車は新規の契約になる)

後者の場合、等級の高い契約が家族の中で「若い運転者」の側に移ることになります。ただ、保険料は運転者の年齢条件などでも変わるので、家族全体で得になるかどうかはケースによります。「誰の契約に、どの等級を残すか」を家族単位で考え、保険会社に両方のパターンで見積もりを出してもらうのが確実です。

なお、子どもが進学や就職で家を出て別居すると、その後は親の等級を引き継げなくなります。引き継ぐことを考えているなら、同居しているうちに手続きできるかを確認しておきましょう。

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保険会社も変えるなら、空白は7日まで

乗り換えをきっかけに、保険会社を見直す人もいるでしょう。等級や事故の記録は保険会社の間で共有されていて、他社に切り替えても原則として引き継がれます。JA共済など、一部の共済との間でも引き継ぎができます(対象は保険会社によって異なります)。

ここで気をつけたいのが、前の保険が終わってから次の保険が始まるまでの「空白」です。前の契約の満期日または解約日の翌日から数えて7日以内に次の契約が始まっていれば等級を引き継げますが、8日以上空くと引き継げません。もちろん、空白の間に起きた事故は補償されません。

もう一つ、満期の途中で他社に乗り換えると、等級が上がるタイミングが遅れることがあります。等級は1年間の契約期間を無事故で終えて上がるものなので、途中で解約するとその年の「1等級アップ」が反映されないためです。保険会社を変えるなら、今の契約の満期日に合わせるのが一番損の少ない方法です。

「事故で等級が下がったから、入り直してリセット」はできない

ここまでとは逆の発想で、「事故で等級が下がって保険料が高くなったので、いったん解約して入り直せば6等級に戻れるのでは」と考える人もいるかもしれません。

これはできません。1〜5等級のように6等級より低い等級の場合、解約日や満期日から13か月以内に新しく保険に入ると、その低い等級が引き継がれます。保険会社を変えても同じです。等級の情報は保険会社の間で共有されているため、「入り直し」や「乗り換え」で等級を軽くすることはできない仕組みになっています。

高い等級は手続きをしないと失われやすく、低い等級は簡単には消えない。乗り換えのときに等級を意識しておく理由は、ここにあります。

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乗り換えの前に、確認しておきたい3つのこと

  • 今の等級と、満期日:保険証券や保険会社のマイページで確認できます。中断証明書やセカンドカー割引が使えるかどうかの判断材料になります
  • 新しい車の持ち主と、主に運転する人:ローンで買う場合など、登録上の持ち主が誰になるかで車両入替の扱いが変わることがあります。購入前に販売店と保険会社に確認しておきましょう
  • 納車日:日付が決まったら、その日から新しい車に補償が付くよう入替の手続きを予約しておきます

車を売るときの売り先選びについては車の下取りと買取、どっちが高く売れる?で、軽自動車と普通車の保険料を含めた維持費の違いは軽自動車と普通車の維持費を10年比較でまとめています。

新しい車を選ぶ時間に比べれば、保険の手続きはほんの数分です。

けれど、その数分で守れるのは、何年もかけて積み上げてきた無事故の記録です。車は新しくしても、記録まで新しくする必要はありません。

参考にした情報

  • 損保ジャパン 自動車保険の解説ページ(車両入替) sompo-direct.co.jp
  • 損保ジャパン 契約者向けページ(中断証明書) sompo-direct.co.jp
  • 損保ジャパン 自動車保険ガイド(ノンフリート等級制度) sompo-direct.co.jp
  • 損保ジャパン 自動車保険の解説ページ(等級と割引率、2026年3月2日更新) sompo-direct.co.jp
  • 損保ジャパン 自動車保険の解説ページ(等級の引き継ぎ、2026年4月27日更新) sompo-direct.co.jp
  • 損保ジャパン 自動車保険の解説ページ(型式別料率クラス) sompo-direct.co.jp
  • GAZOO 中古車と自動車保険の等級に関するコラム(2026年6月18日) gazoo.com
  • 価格.com 自動車保険 手続きガイド(中断証明書) hoken.kakaku.com
  • 価格.com 自動車保険 特約・割引ガイド(セカンドカー割引) hoken.kakaku.com
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