
日産のコンパクトカー「ノート」は、2020年に現行3代目が登場してから約7年が経ちます。国内販売台数トップの常連ですが、その足元では販売の減速も報じられています。報道されている内容と、筆者の想像を分けて整理します。
現行ノートが抱える課題
ノートは2025年も国内コンパクトカー販売でかろうじてトップを維持したものの、前年から約2割ほど販売台数を落としたと報じられています。ユーザーの評価を見ると、コンパクトカーとして高い動力性能(250Nmのトルク)を評価する声がある一方、高速道路での燃費が期待ほど伸びないこと、発電用エンジンの音が加速時に気になること、内装の質感、長距離での乗り心地の硬さなどが不満点として挙がっています。日産の経営再建という観点からも、次期モデルでのテコ入れが必須と見られています。
現行モデルの燃費はどのくらいか
現行E13型ノートは全車に第2世代e-POWERを搭載し、WLTCモード燃費は最高28.4km/L。2WDモデルの実燃費はユーザーの口コミで23〜25.6km/L前後と、コンパクトカーとしては良好な水準です。一方で先述の通り、高速道路など特定の走行条件では期待ほど燃費が伸びないという声もあり、「街乗りは強いが高速はもう一段」というのが現行モデルの実態に近い評価です。次期型で排気量拡大(1.2L→1.4L)が報じられているのも、この高速燃費の弱点を補うのが狙いとみられます。
現行モデルの価格帯・グレード構成
次期型を考える前に、現行モデルの立ち位置も押さえておきます。上級仕様の「ノート オーラ」は、標準車の「G」「G レザーエディション」、特別仕様車の「AUTECH」「AUTECH SPORTS SPEC」「NISMO」という構成です。2026年8月には一部改良で特別仕様車「ノート オーラ Black Edition」が追加され、価格はFFが315万円、スポーティな仕立ての「NISMO tuned e-POWER」4WDが355万円となっています。コンパクトカーとしては幅のある価格設定で、ノート(標準)とノートオーラを合わせると、価格・装備・走行性能の面でかなり広いユーザー層をカバーするラインアップになっています。
ランキングの見方には注意点もある
「コンパクトカー販売トップ」という評価には、集計の区分によって見え方が変わる点も押さえておきたいところです。日産系の集計では、ノートとノートオーラを合わせた「コンパクトカー」区分で2023年度・2024年度と2年連続でNo.1になったと報告されています。一方、車種単体・SUV仕様も含めた「登録車の車名別ランキング」で見ると、2025年度はトヨタ・ヤリス(ヤリスクロス・GRヤリスを含む)が166,533台で2年ぶりに首位となり、ノートは10位という報道もあります。同じ「売れている」でも、どの区分・どの期間で見るかによって順位は変わるため、報道を見るときは「登録車全体のランキングか」「コンパクトカーという車格区分に絞ったランキングか」を意識すると実態がつかみやすくなります。
報道されていること
複数の媒体の報道を総合すると、次期ノート(4代目)のワールドプレミアは2027年夏ごろ、日本での発売は2027年12月ごろという見方が多いようです。現行が2020年12月発売のため、約7年でのフルモデルチェンジという計算になります。
パワートレインでは、日産の発電専用エンジン+電気モーターの仕組み「e-POWER」が新世代(第3世代)になることが有力視されています。焦点は高速走行時の燃費で、発電用エンジンの排気量を1.2Lから1.4Lに拡大し、発電の効率と静粛性を上げてくる、という報道があります。また、新型エルグランドから国内投入が始まっている第3世代e-POWERの技術が、次期ノートにも搭載されるのは「必須条件」との見方も出ています。EVモードでの走行比率を高める方向性も報じられています。
見た目はどうなるか——現行デザインと予想CG
現行(3代目)ノートのデザインコンセプトは「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」で、日本ならではの様式美とシンプルな造形美を取り入れたとされています。フロントはグリルと薄型ヘッドランプを一体化させ、Vモーションもグリル・ランプと一体的に見せることで、優雅でスタイリッシュな顔つきを作っています。
次期型については、各メディアが予想CGを公開しており、フロントは3連プロジェクターとL字型LEDデイタイムランニングライトを組み合わせたヘッドライトに、セレナにも通じる縦基調のフロントグリルデザインが有力視されています。サイドはシンプルで流麗なシルエットが予想され、全長・全高を拡大して実用性を高める可能性も報じられています。ここからは筆者の願望ですが、現行モデルのグリルとヘッドランプが一体化した「顔の一体感」は完成度が高いと感じているので、フロントグリルが縦基調に変わってもこの一体感のある造形は継承してほしいところです。旧型で好評だったスタイリングの良さを消してしまうような刷新であれば、それは「変わりすぎ」になってしまうかもしれません。内装についても、現行モデルで指摘されている質感面の物足りなさが、次期型でどこまで上級車種に近づくかが見た目以上に注目したいポイントです。
乗り心地はどう変わるか(現行の足回りからの推測)
次期型の足回りについてはまだ何も発表されていませんが、現行モデルの構成から推測できることがあります。現行E13型ノートはルノー・日産共通の「CMF-B」プラットフォームを採用し、前がストラット式、後ろがトーションビーム式というコンパクトカーとして標準的な構成です。4WD仕様は駆動用モーターやバッテリーが後方にも搭載される分、車体が落ち着いた重厚な乗り心地になり、2WDの軽快さとは違う方向性になっていると報告されています。ここからは推測ですが、発電用エンジンが1.2Lから1.4Lへ拡大されると報じられている点を踏まえると、フロント側の搭載物がやや重くなる可能性があり、サスペンションのセッティングも合わせて見直されると考えられます。プラットフォーム自体を大きく変えないなら、方向性としては「現行の硬さが少し和らぐ」側に振られるのではないか、というのが現行の設計思想からの推測です。もちろん実際にどうなるかは、発表・試乗を待つ必要があります。
ここから先は「こうなったら面白い」(筆者の想像)
ここからは事実ではなく、いち利用者としての願望です。
- もっと静かな低速域:現行モデルで指摘されている発電エンジンの音が、街乗り中心の低速域でさらに気にならなくなってほしい。
- ノートオーラの個性強化:上級仕様の「ノートオーラ」は、内装の質感をもう一段階上げて、コンパクトカーの中での立ち位置をより明確にしてほしい。
- 高速巡航の快適性:現行モデルの弱点である高速道路での燃費・乗り心地の硬さが、次期型でどこまで改善されるかが個人的には一番の注目点。
もちろん、こうならない可能性のほうが高いです。あくまで「出たらうれしい」という話として。
背景
ノートは日産のe-POWER戦略の主力車種で、国内のコンパクトカー市場でも存在感を持ってきました。ただし販売台数の減速や、燃費・質感面での不満の声が出ている以上、次期型がどの程度「刷新」されるかは、日産の商品ラインアップ全体の立て直しにも関わる注目ポイントです。
情報源
- レスポンス「日産『ノート』次期型は2027年夏登場!?」 response.jp
- Motor Fan「次期『日産ノート』第3世代e-POWER搭載で2027年フルモデルチェンジか」 motor-fan.jp
- ベストカーWeb「日産ノート2027年にも新型へ 経営再建の鍵を握る第三世代e-POWER」 bestcarweb.jp
- carsensor「日産 ノートの燃費は良い?e-POWERって実際どう?」 carsensor.net
- CARPRIME「新型 日産ノートの乗り心地はいかに?新設計のプラットフォームが乗り心地に大きく貢献」 car-me.jp
- CarMe「日産 3代目ノートのエクステリアを解説|コンパクトの常識を覆すデザインに挑戦!」 car-me.jp
- くるまのニュース「日産『新型ノート』登場へ!? 5年以上ぶり全面刷新で『斬新顔』に大進化!? 予想CGが登場」 kuruma-news.jp
- ガリバー「日産オーラのグレード一覧!特徴と違い、ニスモやオーテックとは?」 221616.com
- AUTOCAR JAPAN「【ヤリスが年間首位返り咲き】2025年12月期および2025年度 登録車新車販売の車名別ランキング」 autocar.jp
- ※次期型に関する情報・足回りやデザインの推測部分はいずれも各メディアの予想・報道および現行モデルの構成からの推測であり、日産の公式発表ではありません。

