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あおり運転をされたら、どうすればいいか

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あおり運転をされたら、どうすればいいか
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車間距離を極端に詰められたり、パッシングや幅寄せをされたりする「あおり運転」。2020年の法改正で厳罰化されましたが、実際に遭遇したときにどう対応すればいいのかは意外と知られていません。罰則の内容と対応方法を整理します。

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「妨害運転罪」として明確に規定されている

令和2年(2020年)6月30日、妨害運転に対する罰則を新設する道路交通法の改正が施行されました。車間距離を極端に詰める、不要な急ブレーキをかける、幅寄せをする、必要のないクラクションを執拗に鳴らすといった行為が対象で、他の車の通行を妨害する目的で行われた場合に成立します。

罰則はどのくらい重いのか

妨害運転により交通の危険を生じさせた場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられ、欠格期間2年間の免許取消し(違反点数25点)が科されます。著しい交通の危険を生じさせた場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となり、欠格期間3年間の免許取消し(違反点数35点)が科されます。妨害運転をした者は、その行為だけで免許取消処分の対象になり、悪質・危険な運転者を早期に排除するため、警察は迅速な行政処分の方針を取っています。厳罰化直後の2021年2月時点では、全国で58件が「妨害運転罪」として検挙されたと警視庁が発表しています。

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なぜ起こるのか——「点」ではなく「線」の問題

あおり運転をする人の心理を1000人超に調査した研究では、あおり運転は1回の運転中のイライラだけで起きるのではなく、何日も前から積み重なったフラストレーションが、あるきっかけで爆発する「線」の問題だと指摘されています。発生しやすい場所は、ストップ・アンド・ゴーの多い市街地の混雑区間や、渋滞が解消した直後などで、車内という密閉空間で他者への配慮が薄れる匿名性や、自分本位な運転が背景にあると分析されています。遭遇した側の心理的負荷も大きく、「あおられたら冷静に対処できると思うか」という調査では、40.3%の人が「パニックになると思う」と回答しています。つまりこの問題は、加害側の心理的な蓄積と、被害側の対処能力の低さという、両方の弱さが重なって起きやすい構造になっています。

対策として一番信頼されているのは、実は「抑止」ではない

ドライブレコーダーの取付率は2021年の49.9%から2026年には69.7%まで上昇し、「あおり運転対策」を設置理由に挙げる人が最も多いというデータもあります。あおり運転対策として「効果があると思う」ものの1位もドライブレコーダーで73.9%の支持を集めていますが、別の調査では「あおり運転の抑止効果」を実感している割合は27.5%程度に留まるという結果も出ています。つまりドライブレコーダーは「その場であおられるのを防ぐ」効果としてはそこまで強くなく、実際に効いているのは「後から事実を証明できる」という事後対応の部分です。あおり運転対策の本質は、遭遇を減らすことより、遭遇したときに冷静に記録し、110番と証拠をセットで対応することにある、と捉えるほうが実態に近いようです。

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法改正のきっかけになった事件

妨害運転罪が新設された直接のきっかけは、2017年6月に神奈川県内の東名高速道路で起きた死傷事故です。追い越しをめぐるトラブルから、加害者が進路を塞ぐように車線変更と減速を繰り返して被害者の車を本線車道上に停止させ、そこに大型貨物自動車が追突して夫婦が死亡しました。この事件が大きく報じられて社会問題化したことを受け、2018年12月には当時の官房長官が「あおり運転は悪質で危険」とする異例の談話を発表し、警察の厳正な取り締まりを求めました。そして2020年6月10日に改正道路交通法が公布・即施行される形で、あおり運転そのものを単独の犯罪として処罰できる「妨害運転罪」が誕生しました。1つの重大事件が、数年のうちに法律そのものを変えた例として押さえておきたい経緯です。

あおられないための予防運転

あおり運転は加害者側の問題である一方、意図せず「あおられているように見える」運転をしてしまうことでリスクが高まる場合もあります。目安としてよく紹介されるのが「3秒ルール」で、前の車が通過した地点を自分の車が3秒後に通過するくらいの車間距離を保つと、後続車に威圧感を与えにくくなります。前車との車間が1秒程度しか空いていないと、前のドライバーから見て「あおられている」と感じさせてしまうこともあるため、詰め気味の運転をしている自覚がある人は距離を取り直すのが安全です。ほかにも、無理な割り込みや急な加減速を避けること、自分がゆっくり走っていて後ろに急いでいそうな車がいたら、路肩やSA・PA、駐車場などに入って先に行かせることも、トラブルの芽を摘む効果的な方法です。

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遭遇したときの基本対応

  • 加速や急な車線変更で対抗しない:相手を刺激すると状況が悪化しやすく、事故のリスクも上がります。
  • 安全な場所に停車する:路肩やSA・PA、コンビニの駐車場など、人目のある安全な場所を選んで停車します。走行中の車線上で停車するのは避けます。
  • 車内に留まり、ドアをロックする:相手が車を降りてきても、車外に出て直接対応するのは避けるべきです。
  • 110番通報する:状況を落ち着いて説明し、可能であれば場所・車両ナンバー・状況を伝えます。

ドライブレコーダーの重要性

あおり運転は「言った・言わない」の水掛け論になりやすいため、ドライブレコーダーの映像が状況を証明する重要な証拠になります。前後どちらからのあおり運転にも対応できるよう、前後2カメラ以上のタイプを選んでいる人も増えています。妨害運転罪はその場で110番して初めて捜査が始まるケースが多いため、映像があることで後日の被害届や事情説明がスムーズになります。

背景

あおり運転による重大事故が社会問題化したことを受けて、2020年の法改正で「妨害運転罪」が新設されました。それ以前は個別の違反(車間距離不保持など)でしか取り締まれなかったものを、悪質な妨害行為として一括して重く処罰できるようにした点が大きな変化です。厳罰化から時間が経ち、検挙件数の集計方法や統計も更新されていくと見られるため、最新の統計は警察庁の発表を随時確認するのがおすすめです。

情報源

  • 警察庁「危険!『あおり運転』はやめましょう」 npa.go.jp
  • 警察庁「トピックスIV いわゆる『あおり運転』(妨害運転)に対する警察の取組」 npa.go.jp
  • ベンナビ交通事故「あおり運転の罰則とは?『妨害運転罪』を徹底ガイド」 jico-pro.com
  • くるまも(三井住友海上)「あおり運転の対処法やあおる心理とは?加害者1000人超にヒアリングした教授に聞いた」 ms-ins.com
  • JAF Mate Online「ドライブレコーダーの設置率は約64%、設置理由はあおり運転対策!?」 jafmate.jp
  • Wikipedia「東名高速夫婦死亡事故」(事件概要の確認用) ja.wikipedia.org
  • プレジデントオンライン「『あおり運転』の被害に遭いやすい人が無意識にやっている『あおられ運転』という落とし穴」 president.jp
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